NHKにようこそ!(原作:滝本竜彦、漫画:大岩ケンヂ、角川書店)
- 作者: 滝本竜彦,安倍吉俊
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/01/28
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (182件) を見る
- 作者: 大岩ケンヂ,滝本竜彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/05/25
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (270件) を見る
というわけで漫画といいつつ原作の小説も買ったので(押入れに眠っているが)紹介。
ニートという言葉が流行る前から、無職でひきこもりな青年の妄想を描いた(というか作者がまんまひきもりだったみたい)力作であるところの原作を漫画化した作品だが、面白かった原作から、さらにパワーアップしている。ひきこもりとか薬物中毒とか自殺志願者とかネズミ講とか新興宗教とかネットゲーム中毒とか、負の方向の描写が凄まじい。「GOTH」の時の退廃的な描写力がこっちでも生きている感じ。
ドラッグに手を出したり親の仕送りでエロゲーやったりするどうしようもないひきこもり生活で起こる、助けを求めるいたいけな少女との出会い、馬鹿馬鹿しくも熱い青春、初恋の人との切ない出会い。これは日常に突然起こった「冒険」です。冒険に首を突っ込んでこそロマンスが始まるわけです。冒険に出て見事にロマンスを獲得した原作からはみ出した展開を希望。キボンヌ。でもこの物語はひきこもりの妄想です。現実には岬ちゃんは出てこないから。ひきこもりの自分より弱っている美少女と出会うなんて事、ありえないから。
このままではいけない、とひきこもりから脱却できるか、しなくていいやととするか、原作者はまだ決め兼ねているようですが、まあ若いから自分探しでもして、乙一とか西島大介とかと一緒に面白い事をして貰いたい。