部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

百日紅(杉浦日向子、筑摩書房)

百日紅 (上) (ちくま文庫)
学生時代にブックオフで買って、適当に3巻から読んでいたら物凄い衝撃を受けた。筆で適当に描いたような絵なのに(だからこそか)、人物がいきいきしていた。骸骨が庭の掃除をしていたり、熱い夏の日差しの中での口論の末の斬殺など、描写の着眼点、切り口がちょっと常人には考えられないくらいさりげなく凄い。軽妙かつ凄みがあった。べた褒めである。
あとお栄ちゃんが可愛いのでデートしたいと思った。

あと池波正太郎級に食べ物を美味しそうに描く。村上龍が3解説で「読んでたらすっぽん食べたくなった」と書いていたし。僕もスッポン鍋が食べたくなった。北斎の「命を食べているんだからな」というセリフも良い。

ブックオフで出会って、さあ今はどんな漫画を描いているのだろうと調べてみたらすでに引退してNHK「お江戸でござる」に出演していると知った時は「なんで?」と思った。あんなに凄い漫画を描くのに引退はもったいない。高野文子のように寡作で良いからそのうちまた描いてほしいなあと思い数年経過して現在に至ったのだが。40代は若すぎる。うちの母さんより若い。合掌。