部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

皇国の守護者(原作:佐藤大輔、作画:伊藤悠、集英社)

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)


というわけで皇国の守護者である。本屋で表紙を見て「ああ、日露戦争+ファンタジー+仮想戦記かー。ベタだなあ」と思ったが買ってしまった。だって、そのベタな組み合わせは、僕の好きな組み合わせなんだもん。

ウルトラジャンプで連載している事、佐藤大輔による小説が原作であることが、読んでいるうちに判った。2巻まで読み進めるうちに、「ああ、日露戦争+ファンタジー+仮想戦記+銀河英雄伝説かー。新城=ヤン・ウェンリー、ユーリア=ラインハルトかよ」という感想を持った*1

日露戦争は、司馬遼太郎の「坂の上の雲」の影響が一番大きいと思うが、その後の歴史はとりあえず置いて、近代日本が西洋を相手に戦争をして善戦する、というカタルシスを感じられる出来事なので、西洋対東洋という構図に良く使われる。

銀河英雄伝説(略して銀英伝)は、田中芳樹の代表作であるSF大作である。宇宙で繰り広げられる、惑星対惑星、という規模での三国志と考えれば良いと思う。この中の登場人物、同盟軍の天才策略家ヤン・ウェンリーと帝国軍皇帝ラインハルトが、お互いライバルとして対決する。もはや日本のSFの古典なので一読をお勧めします。

さて、上記の項目は、僕は全部大好きである。なのでこの漫画も好きである。

まるで日露戦争の頃の日本のような「皇国」と、まるでヨーロッパみたいな「帝国」との、戦争の物語である。実際の日本とは違って、「皇国」には強大な力を持った龍が住んでおり、人間と共存している。また、テレパシー能力を持った「導術兵」という兵がいる。主人公である「皇国」の軍人、新城直衛の部隊は、サーベルタイガー(剣牙虎)と一緒に戦う部隊である。

こういったファンタジー要素と、徹底的な軍隊による戦争のリアリティーが混ざっているので、高校の教室の隅で「ロードス島戦記ではディードより小ニースだな、うひひ」とか「銀英伝で一番良いのはパン屋の息子だな」とか陰気に話していたマニアック男子のなれの果てとしては、「まあ、ベタだけどね」と皮肉げに言いながら熱く感想を語る、という最大限の賛辞を送りたくなる作品である。小説も買ってしまいました。挿絵については漫画から入るとちょっと違和感を感じるが、問題は中身である。これであと半年は通勤時間が楽しめる。漫画も楽しみだ。

*1:原作ファンによると、そうでもないらしい。原作を読まねばなるまい