部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

エスパー魔美(藤子・F・不二雄、小学館)

エスパー魔美 (1) (小学館コロコロ文庫)

というわけで「エスパー魔美」である。なによりもまず「絵のヌードモデル」を思い浮かべた人とは熱い握手をしたい。しかし、ヌードを差し置いても、これは良い漫画である。藤子・F・不二雄作品で一番好きな連載作品かもしれない。

主人公は中学生女子の魔美である。ある日突然、超能力に目覚めて大活躍する話だが、超能力に目覚めてもいきなり大活躍はしない。最初は同級生の男の子である高畑君が、自分が超能力者になったと勘違いして、しかし喜ぶから黙っているのである。魔美は良いやつである。

主人公は超能力者で、超能力を使って事件を解決するが、本当の最後の最後には、自身の良心で事件を解決させる。飲んだ暮れ親父の家にサンタクロースの格好をして遊びにいく話は特に良いと思った。超能力あまり関係ないし。

人間ドラマが実は深い。たとえば偶然道で出会った、真美の母親の友人は、実はカナダまで駆け落ちをしていた。しかし向こうで連れ合いを亡くし、子供と一緒に日本に帰ってきて、そこでばったり魔美の母親と会うのである。凄い背景である。少なくとも少年漫画には必要ないくらい深い。

また、超能力で解決できない出来事があるのも良い。山に捨てられて野犬となった飼い犬、交通事故で娘を亡くして復讐の鬼となった男の心を、魔美は救う事はできない。どうしようもない事は、どうしようもない事として描いている。でも魔美が少しだけはなんとかする。

高畑さんもまた、小太りだが格好良い。秀才だとは言え腕っぷしは強くないが、魔美のために体を張る。つまり格好良い男なのである。


魔美のきれいな心や高畑さんの格好よさが、みていて非常に気持ちが良い。これは本当に、良い漫画だと思います。浪人して落ち込んでいる知人に勧めたけど冗談じゃなく本当に読んでもらいたいなあ。