部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

愛すべき娘たち(よしながふみ、白泉社)

愛すべき娘たち (Jets comics)


というわけでよしながふみである。これも妹が持っていたので読んだら非常に面白かったので書いた次第である。

それまで「愛がなくても喰ってゆけます。」しか読んだことがなく、「ああ料理食うの好きな人なんだなあ。あとホモ漫画みたいだからパス」という印象だった。すみません非常に面白かったです。男性、女性関係なく心理描写が凄いです。苦いです。

一応恋愛ものなのだが、登場人物の生き方、人生の重さが半端ではない。悲劇的な物語というわけではない。だいたいは普通の人ばかりだが、30年生きた人間が持つ過去の重さがとてもリアルである。熱い恋愛感情を持ちながらも、同時に醒めている。

特にこの、「愛すべき娘たち」にはやられました。尊敬する祖父に「人には分け隔て無く接しなさい」と教えられた30代女性が本当に恋に落ちたときの相手とその母親の描写と、主人公が選んだ選択肢といったら。苦すぎる。

この人ホモ漫画だけじゃないですわ。本当に、食わず嫌いは良くないです。痛感しました。あと兄妹ってすばらしい。ナイス漫画読みセンスだマイ妹。

あと、mixiやってたら「好きな漫画家は日本橋ヨヲコ榎本ナリコといった、女性の心理描写が上手い人」みたいな事書いている人が結構みかけるが、そういう人はよしながふみの漫画を読んだら絶対好きになると思うのだが、よしながふみがマイナー過ぎなのだろうか。超もったいない。

それとも単にそういう人たちは小学館や講談社のメジャー雑誌しか読んでいないだけだろうか。太田出版とか青林工藝社とか新書館とかから出ている漫画をもっと読むべきではないだろうか。

とかいろいろ思いました。漫画から何か感じ取っているつもりなら、もっと広い見識を持って本を読むべきだ。ミュージックステーションだけ観て日本の音楽を全て語るような事はしない方が良い。