ぼくらの(鬼頭莫宏、小学館)
- 作者: 鬼頭莫宏
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/06/30
- メディア: コミック
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というわけで「ぼくらの」です。奥さんがあるルートでひきこもり気味の中学生男子から借りてきてくれたので読みました。感想は「ひどい話だ!」です。褒めてますよ。
簡単に言うと、中学1年生の少年少女14名が主人公の巨大ロボット漫画です。地球を守るため、巨大ロボットに乗って謎の巨大怪獣と戦うのですが、このロボットを操縦した人は死にます。しかし怪獣を倒さないと48時間以内に地球が滅亡します。こうして絶望的な少年少女たちの戦いが始まる・・・。というわけです。
操縦した少年少女は例外なく死んでいきます。死ぬ前に考えることや行動にそれぞれ個性が表れ、これが描かれるのは素晴らしいと思います。死を前にして選ぶそれぞれの行動が切ないです。しかし、これを読んだ感想はやはり「ひどい話だ!」ですよ。
作者の鬼頭莫宏は講談社の月刊アフタヌーンという雑誌がこれまで主戦場でしたが、そこで連載していた「なるたる」と同様、少年少女が主人公です。そして同様に「酷い目」に合います。この人の漫画での「酷い目」というのは、本当に酷く、かなりショッキングな事も無慈悲に行われます。救いが無いんですよ。
これを好んで中学生が読むのって大丈夫かな、とか思いつつも、これを選ぶとは良い趣味だと言わざるを得ません。だいたい酷い話の巨大ロボット作品には「ザンボット3」、「イデオン」、「ダンバイン」そして「ガンダム」の、富野由悠季作品という偉大な先人がいますし。
4巻まで読んだ範囲ではこの先どうなるか読めません。しかし最新刊6巻のあらすじをうっかり読んでしまいました。そういう方向か!
コミックビームで連載中の「機動旅団八福神」と双璧をなす、現代を代表するロボット漫画と言えるのではないでしょうか。鬼頭莫宏も福島聡もいまいち脚光をこれまで浴びていない感があるので話題となるのは好ましいですし大期待です。でも「ブレイク・エイジ」みたいな安心して読めるのも読みたいよー。
ではー。