部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

第8回東京男声合唱フェスティバル(2008年11月23日、於:浜離宮朝日ホール) その3

その1
その2
の続きです。大分、間が空いてしまった・・・。

演奏後、ミーティングを行ってフリーダムは解散しましたが、合同演奏をするメンバーは残り、11番目の団体が演奏後の昼休憩時に行われる合同演奏リハーサルに臨みました。
ステージに上ってパートに合わせて大体の位置に立っていると、千原英喜先生が入場してきました。この時点でちょっと音が怪しい人もいたりしたのですが、怒らず丁寧に指導してくださいました。優しい感じの人柄なんだろうなあと思わせました。
大まかに演奏上の注意を確認し、30分程度でリハーサルは終わりました。

リハーサルも無事終わり、合同演奏参加するメンバーでお昼を食べに築地市場付近の寿司屋のあるエリアに出かけました。大変混んでいましたが平均的な金額が安い店に当たりをつけて入ってご飯を食べました。観光地だなあと思いました。

その後会場に戻り、25番目の「いらか会合唱団」から最後まで聴きました。以下、気になった団体の感想です。


26.男声合唱団 雀〜JAN〜
 演奏したのは多田武彦
富士山より「作品第貳拾壱」
雨より「雨」
でした。
 人数は10名くらいで年齢は若めの団体でしたが、そのうち4名が女声でした。女声が入っている男声合唱団は最近割と見かけます。別に悪くはないと思うのですがあまり女声の比率が多い場合男声合唱と言えるのだろうか、そもそも男声合唱の定義とはなんなのか、と考えてしまいました。
演奏は少人数ながら頑張っているなあと思いましたが色々な意味で未熟な感じでした。ただ、明らかにバカにして聴いていた僕のとなりの席に座っていたオッサン(橋本龍太郎似)が腹立たしかったです。このオッサンは杉並学院が出てくるまでずっと同じ態度でした。

28.杉並学院高等学校合唱部(男声)
 渕上貴美子先生指揮でコンクールでも最近頭角を現してきた、杉並学院の男声は新実徳英の「日本が見えない」という大曲を演奏しました。大変素晴らしかったです。ここまで「とりあえずタダタケ歌っている」ような団体とか、面白路線で笑いを取っている団体とかばかりで会場の雰囲気が緩んでいましたが、空気が引き締まりました。となりの橋龍似のオッサンも黙ってしまっておりました。この曲選んできちんと仕上げた時点で素晴らしいことです。人気投票は納得の第3位でした。

31.東京楠声会合唱団
 「ANDALCIA」というラテン調の曲を演奏していました。出来は普通の感じでしたが、拍子木をリズムに合わせて叩いている人が途中でつっかえてしまい、ハラハラしながら聴いておりました。歌いながらリズム取るのは大変だと思います。

33.AWD
 どこかの大学のグリークラブの少人数アンサンブルチームといった感じの4人組でした。
Over The RainbowとStardustという曲を演奏しておりました。ハーモニーに怪しいところが結構ありましたが、4人でよく頑張った、という感じです。演奏後の拍手も大きかったです。

35.首都大学東京グリークラブ
 麗鳴でも頑張っているT君が参加しているということで注目しておりました。人数が5名という事で男声二部合唱にせざるを得ないという苦しい事情だったようですが声はきれいでした。大学時代の人数が少なくて苦労した自分の合唱団時代を思い出し、応援したくなりました。
あと、指揮者の金川明裕先生のタンバリンも素敵でした。

41.上野男声合唱団
 40〜50代のベテラン勢が揃いの法被姿で纏(まとい)を持って入場して、見た目に凝っていて格好良いなあと思いました。
演奏したのは
間宮芳生作曲、合唱のためのコンポポジションⅠより「Ⅰ」
でした。これが凄かった。二人のソリストがいるのですが声量が素晴らしい。今年の6月にあった「北とぴあ合唱フェスティバル」にて間宮芳生先生による自作の解説で話していた日本の旋律の歌い方をしているように思われました。堂々の人気投票第2位でした。

43.男声合唱団Chor Wafna
 一昨年前に「GSO」というボーカルグループ演奏会でご一緒したことのある少人数ユニット「S-Wafna」の母体であるChor Wafnaです。演奏した
Morten Lauriden作曲の「Ave dulucissima Maria」
という曲は知りませんでしたがとても良い曲でした。そして相変わらずセカンドテナーにエースがいて、とても柔らかくてきれいな声でした。ここの合唱団は平均年齢は決して低くないのですが、平均年齢の高い男声合唱団にありがちな「とりあえず声を張り上げる」傾向とは違い、よく考えられたきれいなハーモニーでした。「こういう素晴らしいベテラン団体もあるんだ」と勇気づけられます。これからもウォッチしたい団体です。

44.Ensemble Keny
 演奏したのは
西村朗作曲の「妻への挽歌」
でした。
 パンフの説明を読む限り、高校卒業して間もない若者のようですが、かなり渋い選曲だと思いました。
演奏の方ですが、10人未満にも関わらず良く声が出ていて凄いと思いました。腕に覚えのあるメンバーを集めて出場したのだろうなあと思います。ただしハーモニーが少々怪しい部分があり、周りで聴きあう意識を持てたらもっと素晴らしくなるだろうと思いました。

46.埼玉県立浦和高等学校グリークラブ
 コンクールで良く名前の聴く浦和高等学校グリークラブでしたが、時期から考えて3年生が抜けた後の有志で出場したものと思われます。演奏した曲は
多田武彦作曲の雨より「雨」
信長貴富作曲のカウボーイ・ポップより「ヒスイ」
でした。
 声量は素晴らしく良かったですが歌い方が荒い、というか若いという感じでした。今後に期待って感じです。

47.トンペイ・メモリアルズ8
 東北大学男声合唱団のOB(だからトンペイらしいです)団体だそうです。平均年齢は40〜50代、衣装はグレーが中心のスーツ、演奏する曲は
グリーグ作曲の「Sangerhilsen」
多田武彦作曲の三崎のうたより「雨中小景」
でした。
 まさに古き良き男声合唱という感じでしたが、隙のない、整ったハーモニーで男声合唱のスタンダードナンバーを歌い、素晴らしかったです。正統な日本の男声合唱の姿を見た思いです。人気投票第一位もうなずけます。

48.besar dada 95
 今回のフェスティバルで僕が楽しみにしていたのはENSEMBLE PLEIADEによる「さくら散る」でした。ただ、その前に同じ曲を演奏したこの団体の方が良い演奏だと思いました。団体名は一体どういう意味なのだろう。

50.メンネルコール広友会
 シーシャンティを演奏しておりました。声量が大きくパフォーマンスも面白くて良かったです。

51.早稲田大学グリークラブOBメンバーズ
 演奏したのは
荻久保和明作曲の縄文より「曙」
でした。
 フォルテ部分は物凄い声量、それ以外の部分はあんまり・・・、という、良くも悪くも母校の伝統を受け継いでいると思わせる演奏でした。特に、ピアノなったりテンポが遅くなる部分で、物凄く音が落ちていて、思わず笑ってしまいました。フォルテ以外はどうでもいいのか!

52.ENSEMBLE PLEIADE
 松下耕先生擁する有名な男声合唱団がいよいよ登場しました。海外のテレビ局が取材に来ていたようで、二階席からカメラで撮影している姿が見えました。演奏したのは
多田武彦作曲の草野心平の詩からより、
「石家荘にて」
「さくら散る」
でした。有名すぎて名演がほとんどないこれらの曲を、耕友会屈指の男声合唱団が演奏するという事で大変期待していました。
ところが、結果は残念ながらいまいちでした。トップテナーが張り切りすぎたのか、上ずったり他のパートとハーモニーが溶け合いません。平均点では高い方だと思いますが、感動するレベルかと言ったら答えは「ノー」です。なんか「お前何様だよ」という文章で恐縮ですが、本当に残念でした。


55.イェーノーリャ・ラウラヤット
 いつも通りよく分からない曲やるんだろうなあ、と思っていたのですが、
男声アンサンブルのためのサウンドトラックより「8.タイム・アタック!」
という曲の演奏が始まって、衝撃を受けました。往年のナムコの名作「メトロクロス」のテーマではないですか!
 たぶん会場内の人は格好良いジャズナンバー、ぐらいにしか感じていないでしょうけども、僕一人感激しておりました。演奏後に「メトロクロスー!!」と叫ぼうと思ったくらいです(しませんでしたが)。とりあえずホームページからメールで問い合わせを衝動的にしてしまいました。素晴らしい!楽譜分けて欲しい!!

招待.Belle Equipe
 昨年のフェスティバルで人気投票1位のため、20分間の招待演奏をしていました。演奏曲は、
男声合唱組曲「中原中也の詩から」より
  雲雀
男声六重唱のための「手作り諺 四つのポップソング」より
  1.Your eyes
  2.Three bonzes
  3.Cinderella's misfortune
  4.A farewell gift
Back In The U.S.S.R. 
Memory
無伴奏男声合唱組曲「いつからか野に立つて」より
  いつからか野に立つて
でした。
 武満徹を少人数でやるのも凄いですが、一番良かったのはグラサン付けてノリノリで踊りながら演奏した、ビートルズの「Back In The U.S.S.R.」でした。たぶんキングス・シンガーズによる編曲だと思いますが、とても良かったです。格好良い曲を合唱でやりたい、という僕の好みに合っておりました。面白い曲、格好良い曲、従来の曲もやるという事でバランスが良くてお見事でした。来年1月に演奏会あるそうなので是非行こうと思っております。

 最後に合同演奏をしました。演奏したのは瀬戸内寂聴作詩、千原英喜作曲の ある真夜中に より
「この星に生まれ」
「寂庵の祈り」
です。

 かなり疲れており演奏がどうだったか怪しかったです。練習もあまり出れなかったし。しかし笑顔で指揮をされている千原英喜先生は素敵でした。もっと良い演奏精度にするには、練習回数が足りなかったなあと反省です。来年は何やるのかなー。

その後人気投票結果が発表されてフェスティバルは終了しました。もうこの時には疲労困憊状態でした。前に書いたとおり長すぎだと思いましたが、杉並学院にお菓子賞が出たり、楽しいノリはとても良いイベントだと思いました。少人数の男声合唱団はTVECよりもこれに出たら良いんではないかと思いました。来年も出てみたいものです。

ではー。