京都大学の学生寮について
思い出
読売新聞のサイトで以下のようなニュースが出ていました。
国内最古の京大「吉田寮」建て替え、大学側が計画案提示
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090601-OYT1T00048.htm
僕も室蘭工業大学(以下、室工大)時代は学生寮に住んでいました。「明徳寮」という名前です。政治活動*1やら飲酒事故など批判が色々あるでしょうけども、学生寮で過ごした10代後半から20台前半の共同生活というのはとても強烈な思い出です。コミュニケーション不全がちなオタクだった僕も、いろんな意味で鍛えられました。
何よりファミコンバンド・スペランカー主宰のヘクターさん含めた先輩、後輩と過ごした日々は冗談抜きでこれまでの人生でのハイライトです。イケて無かった高校時代を経て、遅れてやってきた僕の青春時代(ただし女っ気一切無し)といって差し支えないです。
女性に関する良い出来事はほぼ皆無ですが、クロネコヤマトバイト(こちら参照)、ファミコン(いわずもがな)、漫画(ブックオフ登別店にお世話になりました)、アニメ(富野由悠季作品をあらかた見ました)、そして酒(安い甲類焼酎と日本酒。ビールは高級品)に明け暮れたモラトリアムの日々は、もう一回やれるならやりたいです。明徳寮ネット繋がったらしいしねー。赤いフンドシ付けた半裸の泥酔者によるパレードが見られるのもここだけですよ(多分見たくないでしょうけども)!とにかく、寮のおかげで僕の大学時代は忘れられない日々となった事は間違いありません。
思ったこと
さて、京都大学の吉田寮についてですが、国立大学の学生寮というのは文部科学省(旧文部省)で規格が決まっており、現存する学生寮としては
- 「旧規格寮」
- 「新規格寮」
- 「新々規格寮」
があります。室工大の明徳寮は「新規格寮」(といってもかなりボロかった)で、2009年現在、「新々規格寮」への建替え中です*2。で、吉田寮ですが、こちらは一世代前の「旧規格寮」にあたると思われます。
詳細は忘れましたが「新規格寮」の条件の一つとして鉄筋コンクリートで経てる事、というものがあったはずですが吉田寮は明らかに木造建築です。たまに送られてくる室工大同窓会誌に写真やイラストがよく載っている、「旧規格寮」時代の明徳寮と同じ時代の建物でしょう。それが今も残っているから凄いですね。
この中では学内、学外の人々による独自のカルチャーが育ってきたみたい(クイックジャパンの村八分特集とかむさぼり読んだものだ)ですが、「地震が来たらどうするんだ」という現実に直面してしまったように思われます。
明徳寮も立て替えにあたり、定員4名の相部屋が分割されて個室化される事になったので
「独自の人間関係が無くなってしまう」
とか
「(立て替え中は二棟あるうち一つの棟に全員移るという方針に対し)立て替え中の居住環境がひどすぎる」
と大変反対が起きました。最後は結局、賛成、立て替えを了承する形となりましたが、独自文化があってまだ政治勢力が力を持っていそうな吉田寮ではなかなか、学校思うとおりにはならなかったんだろうなあと想像します。
私も学生時代は寮実行委員会に在籍して寮立替問題に関わったので、政治に興味の無い学生による現在の執行部(なんという名称なのかは知りませんがたぶんこう呼ぶの?)の方と大学側の担当者である学生課の方々の苦労はいかばかりかと想像します。みんなこういう活動には消極的だしねー。
独自の文化の維持と真っ当な学生寮としての生活環境の向上の両方が実現できたら最高ですが、「国立大学法人」としては後者だけ考えれば良い筈です。私の母校なら絶対、後者だけしか実現できないでしょう。
日本の最高学府の一つである京都大学の度量はどんなもんか、と期待したいですが多分無理だろうなあ。普通に考えたら今の寮が建て替わったら学外の人は住めないだろうなあと思います。併せて反社会的な政治勢力の排斥もしてしまいたいでしょう。「国立大学法人の学生寮」としては当たり前の判断です。
それを踏まえて学校側、寮側での冷静な議論の結果、良い結果になれば良いなあと思いますが・・・。ちょっと難しいだろうなあと思ってしまいます。どれだけ熱い学生がいるかなー。居候している学外の人ではなく、正規の手段でもって入寮している学生達が判断しなければいけないと思います。
まあ、学生側が折れて普通に立て替え、という形ではないでしょうか。そこまで頑張る筋合いは今の学生には無いと思うので。学外の人や政治勢力だけ頑張っても悪い影響を与えるだけでしょう。
色々学生時代を思い出したのでちょっと書いてみました。
ではー。