部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代(牧野武文、角川書店)

会社の通勤中にyoutubeNES BAND(ファミコンを使って生演奏をする凄いバンド)の以下の動画を観ていたら感動してしまい、「何か任天堂に関するものを手に取らねばならない」という衝動に駆られて本書を購入しました。


Hip Tanaka NES Medley / NES BAND 15th Live ...


任天堂の元社員、横井軍平氏について書かれた本です。横井軍平氏はゲーム&ウォッチファミリーコンピュータゲームボーイという任天堂の大ヒット商品に深く関わっているだけでなく、それ以前に任天堂から発売されていたウルトラハンドラブテスター、光線銃なども手掛けた方です。

氏について書かれた本といえばちょっと前まで中古で高値でしか買えなかった「横井軍平ゲーム館」がありました。アスペクトから出ていた本は大学時代にヤフオクで購入して今も手元にありますが、なんと今年になってちくま文庫で復刊したのでそれも買っちゃいました。

「~ゲーム館」は横井氏の作った商品と商品開発に当たっての有名な哲学「枯れた技術の水平思考」が紹介されており、任天堂が躍進した時代を作った立役者の痛快な成功譚として私は読みました。

が、本書では商品開発に当たっての悩み、例えば「本当は自分で手を動かして色々作りたいが管理職としてマネジメントに徹さざるを得ない」とか、技術職のサラリーマンなら思い当たりそうな悩みが記述されていたりします。ゲーム雑誌等に書かれている任天堂の関係者について記述されている文章では、サラリーマンとして悩んでいる横井氏の姿というのは見たことがなかったので非常に新鮮でした。
そして山内溥今西紘史といった任天堂関係者にまつわる今まで知らなかったエピソードが沢山書かれているのも、任天堂ファンとしてはとても嬉しかったです。

そして、今年の7月に55歳で亡くなられた任天堂の社長だった岩田聡さんの事にも思いを馳せてしまったのでした。横井氏も50代で亡くなられています。

3DS版「パルテナの鏡」を買って以降は全然売り上げに貢献していなくて、「任天堂ファンとはもう自称できないな」とか正直思っていたのですが、岩田さんの訃報に接したり、最近買ったWiiUの「スプラトゥーン」がとても面白いのと、横井軍平関連書籍が最近発売されているのを知ったり、上述の田中宏和作品メドレーを聴いたりしていると小学生以来感じていた気持ちが蘇る気がしています。まだ頑張ってみよう。

なお、任天堂関連書籍といえば、山内溥元社長が大活躍しつつ、ウィンドウズ95前夜のIT業界の有名人もちょこちょこ出てくる「ゲーム・オーバー」という本が非常に面白いです。これも復刊してほしいなあ。

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち


では。