部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

第18回東京男声合唱フェスティバル(2018年11月10日、於:浜離宮朝日ホール)

先日の土曜日、11月10日に開催された第18回東京男声合唱フェスティバル(男フェス)に、かながわフリーダム・シンガーズにて出演してきました。

自身の演奏について

今回演奏した曲は以下の2曲です。

  1. りんごよ(無伴奏男声合唱曲集『じゆびれえしょん』より、作詩:山村暮鳥、作曲:信長貴富)
  2. Wedding Qawwali(作詩、作曲:A.R.Rahman、編曲:Ethan Sperry)

「りんごよ」は今年の神奈川県合唱コンクールに出演した際に自由曲として演奏した曲です。コンクールの結果が賞無しと振るわなかった事から、「追試」のつもりでもう一回本番に上げよう!と提案して演奏することになりました。
出演者に配られる録音CDを聴いた限りでは、コンクールで上手くいっていなかったところに若干改善が見られたので良かったのではないかと思います(逆に悪くなったところもありましたが・・・)。コンクールの仇を少しは討てたかも。これで次に進む事ができます。

「Wedding Qawwali」は以前ブログで取り上げたこともある曲ですが、地道に合唱団の中で提案していたところ今回、採用されました。

bata64.hatenablog.jp


この曲を演奏するにあたり大変なのは、「optional」とあるものの、ギターとパーカッション(楽譜にはジャンベとタンバリンと書いているが、今回はカホン)をどうするか?という事でしたが幸いにして団員のお知り合いに演奏者の方がいたのでお願いする事が出来ました。
ちなみにもう一つ大変だったのはテキストがパンジャーブ語である事でしたが、これは出版社からネイティブスピーカーがしゃべっているmp3ファイルが提供されていたし、Youtubeで沢山参考演奏があったのでなんとかなりました。たとえばこれ。

www.youtube.com


さて、取り上げてはみたものの、練習ではあまり楽しい感じをなかなか得られなかったのですが、浜離宮ホールのリハーサル室での直前リハーサルでとても良い響きが感じられて、団員一同「おっ良い曲じゃねえのこれ」みたいな感じになり、本番はさらに良い音響の中演奏する事ができ、大変満足しました。

もともと男声合唱曲のレパートリーといったら「音楽之友社とカワイ出版の楽譜から木下牧子信長貴富、千原英喜の曲のどれか」みたいな選択肢になっている(偏見です)のにウンザリしつつ、じゃあ他に素敵な曲はないものかとYoutubeを眺めていたら見つけたのがきっかけでした。音楽的に複雑な事、文学的なアプローチで歌詞を解釈、とかそういうのは無しで「ギターとパーカッションとセッションしながらかっこいい曲を歌う」事に全力で楽しめたのがとてもよかったと思いました。合唱曲の演奏というよりは、ライブで演奏した気分です。
表現しづらいですが「こういう感じ」を楽しめるような曲を演奏しつつ、従来の合唱曲も演奏すると「表現の幅が広い合唱団ぽさ」をアピールできて良いんではないでしょうか我が団的には。
コンクールで満足できなかった事を男フェスで満足でき、とてもよかったです。

なお、後述する人気投票結果のベスト20には入りませんでしたが、後日東京都合唱連盟からメールをいただき、

団体投票:17位
観客投票:32位
総合で31位

との事でした。

他団体の演奏について

今回、高嶋昌二先生指揮の公募合唱団に参加し、公募合唱団の出番は一番最後という事もあり、出番を待つ間に多くの他団体の演奏を聴きました。その中で印象に残った団体や物事を箇条書きで書いておきます。

増田順平先生指揮の「CHOR"C・E・G"」

日本合唱界の歴史の生き証人でおられる増田順平先生も、普通に男フェスに参加していました。
ソロを歌う人がヘッドセットマイクを付けていましたが、ハンドマイクではだめだったのだろうか。

首都大学東京グリークラブ

2008年の男フェスでは団員が5名しかおらず2部合唱で指揮の金川明裕先生がタンバリンを叩いていた団体でしたが、数年前に全日本合唱コンクール出場を果たし今や強豪団体です。30名弱の合唱団になっている事が感慨深かったです。

参考:
bata64.hatenablog.jp

ヴォーカルアンサンブル未生

キングスシンガース編曲版「BlackBird」を演奏していましたが、ファルセットのテナーパートはかなり苦しかったです。実声ではいかんかったのでしょうか。神奈川県合唱コンクールにてかつてはかながわフリーダム・シンガーズと競ったり競わなかったりした合唱団ですが、双方とも団員不足に苦しんでいる感があります。

男声合唱団コール・ヴァフナ

バルトークの合唱曲を難なく演奏しており、この日聴けた団体の中でも有数の実力を持っていると思いました。が、人気投票で順位が決まる性質上、バルトークでは人気投票は弱かったでしょうか。

面白演出は思い切りやらないといけない

「Belle Equipe」吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」を演奏したり「7月の風」西城秀樹の曲を演奏したりしていましたが、演出面での踏み込みが足らずバカウケにはなりませんでした。面白いことをやるときには、徹底的に面白くやらなければいけないという事です。かの有名な「ノンデザイナーズ・デザインブック」にて「フォントを太くしたりコントラストを付けるときには臆病になるな」と書いているのと同じことです。
これは、面白演出を身上にしているかながわフリーダム・シンガーズとしても他山の石としたいと思います。

バーバーショップやる団体多かった

若手でやっている団体が結構いた印象です。流行っているのでしょうか。

「酒頌」歌う団体多すぎ問題

と思ったけど、プログラム記載の数を数えたら3団体でした。そうでもなかった。

トンペイ・メモリアルズ18

個人的にはここが今回のベストアクトでした。多田武彦作品を高精度で、かつ情緒と迫力を持って歌っていました。男声合唱にガツンとしたものを求めたい、古い新日本プロレスファンみたいな私としてはとてもしびれました。なので団体投票で11位という結果は気に入りません。みんな耳腐ってんのか(暴言)?

Speranza Oriente

4人(!)で木下牧子「秋の夕」(!!)という超難曲をさらっと歌っていた技量の高さに戦慄しました。なにこの人たち・・・。

Mu Project

なんかゴスペラーズみたいな曲歌ってる!!かっこいい!!と思いましたがback numberの「瞬き」でした。

www.youtube.com


この日の出演団体で唯一、現在の音楽シーンをキャッチアップしようとしていた*1団体で、かつ上手だったので、ここかトンペイ・メモリアル18が人気投票1位を競うだろう、と思っていたのに・・・。みんな耳腐ってるのか(不適切な発言)?

以上です。久々に合唱関係で長文を書きました。
以下は、そのうち東京都合唱連盟のサイトから消えてしまうと思ったので控えた人気投票結果です。

人気投票結果(ベスト20まで)

総合順位 団体順位 観客順位 団体名 総得点
1 1 2 インターカレッジ男声合唱団 Voces Veritas 84
2 6 3 La bella patria 51
3 11 1 トンペイ・メモリアルズ18 50
4 2 4 Speranza Oriente 49
5 2 6 大東京youngsters 48
6 4 12 首都大学東京グリークラブ 36
7 4 20 男声合唱団「タダタケを歌う会」 30
8 17 4 Actinia 29
9 17 6 東京バーバーズ 28
9 6 14 Sentirusi Eccitato 28
9 17 6 Mu Project 28
12 17 9 男声合唱団シンサーンズ 25
13 17 11 桐蔭学園中学校・高等学校グリークラブ 24
14 6 32 Orpheus Singers 21
14 17 12 国立四工大OB男声合唱 21
16 37 9 はまだグリークラブ 20
17 6 38 Ensemble coup de coeur 19
17 11 22 Belle Equipe 19
17 11 22 The Lockers 19

人気投票結果の得票数の推定もやってみました。

bata64.hatenablog.jp


では。

*1:もっとも合唱に足らない要素