部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

もやしもん(石川雅之、講談社)

もやしもん6巻限定版 ぬいぐるみ付き

もやしもん6巻限定版 ぬいぐるみ付き

と言うわけでもやしもんです。アニメ化もされて超人気作品になっていたのですね。まとめ買いして読む日まで、意識的に情報を封鎖していたので全然知りませんでした。
さて、今回「もういいだろう」と思い、1〜5巻までをまとめ買いして読んでみました。ああやっぱり面白いです。これは面白い!「細菌が見える主人公」、「モラトリアムとしての大学生活」、「発酵食品に関するうんちく」、「そしてかわいい(ほのかにエロい)女性キャラ」と、読んでいて楽しくなる要素がばっちりです。以下、面白いと感じるこれらの点についてそれぞれ解説します。

  • 細菌が見える主人公

たぶんあらすじとか検索したら沢山出てくると思うのですが、幼少の頃から細菌が見える主人公の沢木直保(ただやす)が、東京にある某農大(こういう名前の大学なのです)に入学するところからお話は始まります。細菌が見える直保の視界には、ヨーグルトの周りには乳酸菌がいるし、手を拭かずにトイレから戻ってきた人の手には大腸菌がいるし、サラダに混入したO-157も見えてしまいます。顕微鏡で見えるような細菌の形ではなく、なんだか可愛いキャラクターとして直保には見えます。実際の細菌というのはこういうのだと思うのですが、直保ビジョンではこんな感じです。水虫の足にいる可愛い細菌、「かもして ころすぞ」とか言っている可愛いけど怖いボツリヌス菌、直保の肩にいつもいるマスコットキャラクターみたいな黄麹菌のA・オリゼーなど、無闇に細かく、沢山出てきます。凄いキャラクターの立て方だと思います。

  • モラトリアムとしての大学生活

直保は某農大に入学している事もあり、お話の舞台は某農大のキャンパスがメインです。ここでは畑があったり田んぼがあったり、畜産科の飼っているブタがいたり牛がいたりして、東京にあるとは思えない非日常的な世界です。また、農志会という体育会みたいなサークルの連合が主催する怪しい学祭があったり、教授と助教授がバトルをしたり出店が出たりして楽しげな秋の収穫祭があったりして、自治独立な大学の雰囲気が、多分にフィクションを含めてはいますが好感を持って描かれています。凄くこの大学に入りたくなります。「究極超人あ〜る」の舞台の春風高校みたいです。
また、直保と良くつるむ先輩である、美里と川浜(どちらも寮生)が体現している男臭さ、女っ気なさ、みみっちさがいかにも大学の寮生という感じで、室蘭工業大学明徳寮出身者である僕の琴線に触れまくりです。汚い寮の部屋で日本酒。これですよ。男子大学生は酒飲んで女っ気無いとね(偏った意見)!なので美里と川浜コンビは大好きです。

  • 発酵食品に関するうんちく

直保は細菌が見える事から、細菌を研究している樹(いつき)教授に目を付けられ研究室に誘われます。直保もはじめは流されていますがだんだん研究に興味を持ち始め、研究室に良く出入りするようになります。
研究室でみんなで食べる世界の発酵食品の紹介や、樹先生の長いうんちくがとても面白いです。
たとえば、アザラシの腹の中に海鳥を詰めて発酵させるキビヤックや、エイを発酵させるホンオフェ、世界一くさいと言われるニシンの発酵食品であるシュールストレミングなどです。凄く描写が細かいのと、本の欄外にある作者と編集者のコメントを読む限りでは、実際に食べているみたいです。僕はどれも食べるのは無理だろうなー。全部物凄いにおいがするようです。

  • そしてかわいい(ほのかにエロい)女性キャラ

もやしもんには主要な女性キャラクターが4人出てきますが全員可愛いです。樹研の院生である長谷川さんは何故かボンデージ趣味だし。ほのか(いや大分)エロくて良いです。あとゴスロリ少女(・・・)も出てきますよ。

以上のようなおいしい要素が満載なので人気があるのだと思うのですが、あと、大事なポイントとして、この作者の力量もあります。「週刊石川雅之」、「カタリベ」、「人斬り竜馬」と単行本全部持ってますが、この作者の作品には時代物、戦争物などの重厚な話が多いです。むしろ、「もやしもん」の方が異色に思えます。
あと「週刊石川雅之」にある「WILD BOYS BLUES」のような軽妙なお話もありますし、非常に幅広い話が描ける人なのだと思います。これまでの作品からは、もやしもんがどう展開していくのか全然予想できません。すんごい楽しみです。早く6巻出て欲しいわー。ぬいぐるみ付きのは高いから要らないけど。

ではー。