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新増沢方式について

全日本合唱連盟主催のコンクール、すなわち全日本合唱コンクールおよび各支部大会では採点方式として「新増沢方式」がしばしば用いられます。

2007年11月に開催された第60回全日本合唱コンクール
2008年8月25日の第51回神奈川県合唱コンクール
2008年10月12日の第63回関東合唱コンクール
の採点方式は「新増沢方式」でした。
関東合唱コンクールに今回出演しましたが、審査発表直後は周りから結果に対する不満の声が多数上がりました。
ただ、審査結果に異議を唱えるものではありません。結果は結果として、重く受け止めています。でも、直後は悔しかったんですよねー。

不満の声が上がる原因としては、新増沢方式は計算方法が複雑で、何故この結果になったのかが良く分からない場合が多い、という事もあると考えております。私もそうでしたが、コンクールに出ていて具体的な採点方法を知っている方はあまりいないと思うのです。

そこで今回の関東合唱コンクール一般Aの結果を新増沢方式で改めて計算し、そもそも新増沢方式とはどのような計算方法なのかを解説してみたいと思います。

なお、ネット上で取得できる情報しか持っておらず、実際のコンクール運営上異なる場合があります。その場合は新増沢方式でコンクールを運営している各合唱連盟関係者の方からのタレコミをお待ちしております。

1.新増沢方式とは
ネット上では「新増沢方式」についての情報は少なく、由来についてはwikipediaの「新増沢式採点法」の項しか情報が見当たりませんでした。
これによると、


増沢健美が考案した「増沢式採点法」に、改良を加えたものである。「新増沢方式」あるいは単に「増沢方式」と呼ばれることもある。

との事です。増沢健美さんという方はネット上で調べた限りは、音楽評論家で大日本音楽著作権協会の代表、音楽著作権協会理事長などを歴任された方のようです。明治33年(1900年)3月19日生まれ、昭和56年(1980)2月3日没、享年80歳との事です。*1
この方のまとまった経歴等についてはネット上では見つけられませんでした。図書館に行って調べてみたいところです。

さて、具体的な採点方法についてですが、
wikipedia
埼玉県合唱連盟ホームページ
札幌合唱連盟ホームページ(ライオンの絵をクリックしてpdfをダウンロード)
に詳しい解説があります。読んだ限りは書いてある内容はほぼ同じようです。

ただ、はっきり言って一読しただけではなかなか理解が出来ませんでした。そこで今年の関東大会の結果を実際に計算して、どのような方式なのか確かめてみたいと思います。

2.新増沢方式で実際に計算してみよう

それでは実際に計算してみたいと思います。サンプルとして、かながわフリーダム・シンガーズが苦杯を嘗めたばかりの2008年10月12日の第63回関東合唱コンクール 一般A部門を使用したいと思います。

2.1 審査員を用意する
当たり前の話ですがコンクールで審査をする審査員が必要になります。合唱コンクールの審査員には、合唱指揮者、声楽家、評論家、作曲家といった方が依頼される事が多いです。
また、重要な条件として新増沢方式では審査員の数は奇数である必要があります。関東大会では審査員は
渡辺三郎
江上孝則
河合孝夫
鈴木茂
樋本英一
(以上、敬称略)
の5名でした。ちなみに東京都合唱コンクール、全日本合唱コンクールでは7名でした。人数をどうやって決めるのかは謎です。タレコミお待ちしております。

2.2 順位を決める
次に審査の方法です。審査員は出場団体の演奏を聴き、順位をつけます。技術点だとか芸術点だとか点数はつきません。また、同位をつける事はできません。審査員は、どの団体が優れていたかを選択し、順位表を作成します。例を挙げると18団体が出場した関東合唱コンクール一般Aでは、1位から18位の順位が付けられた順位表が審査員の数だけ、つまり5枚作成される事になります。
「新増沢方式」はこの順位表を元に総合順位を決めます。

具体例を見てみましょう。新潟県合唱連盟による第63回関東合唱コンクール一般Aの各審査員の順位表と総合順位は以下の通りです。

順位 渡辺三郎 江上孝則 河合孝夫 鈴木茂 樋本英一 総合順位 代表
1 Scato 明野 浜松ラヴィ エテルナ 浜松ラヴィアンクール
2 マルベリー フリーダム 新潟フィル LaMer シャロン La Mer
3 LaMer LaMer マルベリー フリーダム 室内合唱団 音
4 シャロン 浜松フラウ シャロン 新潟フィル マルベリー マルベリー・チェンバークワイア
5 フリーダム マルベリー LaMer June ピノ アンサンブル・シャロン
6 Luna Luna ヴェール シャロン LaMer かながわフリーダム・シンガーズ
7 ヴェール シャロン Luna フリーダム ユース松林 Luna Voce
8 浜松ラヴィ 浜松ラヴィ 浜松フラウ 浜松フラウ Scatola di voce
9 June ピノ 浜松ラヴィ Luna June 浜松フラウエンコール
10 浜松フラウ 明野 エテルナ ピノ ヴィステリ 新潟フィルハーモニーレディースアンサンブル
11 Scato ユース松林 マルベリー 浜松ラヴィ レディースクワイヤJune
12 ヴィステリ 新潟フィル June ユース松林 Scato アンサンブル・ピノ
13 明野 June Scato 浜松フラウ 明野少年少女合唱団
14 新潟フィル ヴェール ヴィステリ エテルナ 新潟フィル クール・ヴァン・ヴェール
15 ピノ ヴィステリ Scato ヴィステリ Luna 混声合唱団ルックスエテルナ
16 ユース松林 エテルナ フリーダム 明野 ヴェール ユース松林
17 エテルナ フローレス フローレス ヴェール 明野 コール・ヴィステリー
18 フローレス ユース松林 ピノ フローレス フローレス 合唱団コルス・フローレス

表1:第63回関東合唱コンクール一般A順位表


審査の結果1位は静岡県代表の浜松ラヴィアンクールで、全国進出が決まりました。
その他演奏の優劣によってそれぞれ金賞、銀賞、銅賞が与えられます。
全国進出する団体は一般的に金賞団体から選ばれます。金賞だが進出が出来ない場合、俗に「ダメ金」と呼びます。今回のフリーダムは6位で、この「ダメ金」でした。
何故6位までが金賞なのか、また何故金賞6団体のうち1団体しか全国進出できないのかは謎です。これについては新増沢方式で順位が決定された後審査員間で協議するものと思われますが、詳細は一般人である私の知るところではありませんので、これまた関係者からのタレコミをお待ちしております。

次に、審査員の順位表から総合順位を付ける具体的な手順を説明します。

2.3 総合一位を決める

さてここからややこしくなります。まず、総合一位を決めます。新増沢方式の特徴として、

  • 優劣は獲得した1位の数(獲得数)で決める
  • 獲得数が最多団体を「仮の1位」次団体を「仮の2位」と呼び、これを比較する

という前提条件があります。

この上で総合一位を決めるルールは以下の通りです(参考:wikipedia)。

  1. 「仮の第1位」が1団体だけで、かつ、その獲得数が審査員の過半数を超えた場合は、その団体が総合第1位となる。
  2. 「仮の第1位」が2団体存在し、かつ、両者の獲得数の合計が過半数を超える場合には、その2団体で決選投票を行い、総合第1位を決定する。
  3. 「仮の第1位」が3団体以上存在し、かつ、「仮の第1位」全員の獲得数の合計が過半数を超える場合には、それらの団体で勝ちポイント選抜を行い、総合第1位を決定する。
  4. 「仮の第1位」の獲得数が過半数を超えない場合、「仮の第1位」と「仮の第2位」の獲得数の合計が過半数を超えれば、「仮の第1位」と「仮の第2位」によって決選投票を行い、総合第1位を決定する。
  5. 4.において、「仮の第2位」が複数存在する場合には、最初に「仮の第2位」の団体において決選投票又は勝ちポイント選抜を行い、「第1位候補」を1団体だけ選抜する。次に、「仮の第1位」と「第1位候補」とで決選投票を行い、総合第1位を決定する。
  6. 以上により総合第1位が確定すれば、各審査員の順位表からその団体を削除し、空欄になった位置に、次順位以下の団体をそのまま繰り上げる。
  7. 繰上げが終わった順位表について、「仮の第1位」以下を改めて設定する。その後、1.以下の手順に従って決定された「2回目の第1位」が、総合第2位となる。さらに、総合第3位以下も、同様の作業を繰り返し、決定していく。

さあどうでしょう?僕はここで考えるのを止めたくなりました。ここではとりあえず、「こういうものなんだ」と思うだけにしておいてください。

では、実際にやってみましょう。表1を見ると、今回各審査員が一位をつけた団体は

渡辺三郎 江上孝則 河合孝夫 鈴木茂 樋本英一
Scato 明野 浜松ラヴィ エテルナ

表2:一位団体表

となります。獲得数はそれぞれ、
室内合唱団 音・・・1
Scatola di voce・・・1
明野少年少女合唱団・・・1
浜松ラヴィアンクール・・・1
混声合唱団ルックスエテルナ・・・1
となります。この場合の「仮の第1位」は上記5団体となり、審査員の過半数(3)を超えています。よって、ルール3番

3. 「仮の第1位」が3団体以上存在し、かつ、「仮の第1位」全員の獲得数の合計が過半数を超える場合には、それらの団体で勝ちポイント選抜を行い、総合第1位を決定する

が適用され、5団体による「勝ちポイント選抜」が行われます。「勝ちポイント選抜」とは団体間の順位差で優劣を付けるリーグ戦の事です。わかりやすいように以下のようにリーグ表を作成してみてみましょう。

Scato 明野 浜松ラヴィ エテルナ
- 第1戦 第2戦 第3戦 第4戦
Scato - - 第5戦 第6戦 第7戦
明野 - - - 第8戦 第9戦
浜松ラヴィ - - - - 第10戦
エテルナ - - - - -

表3:勝ちポイント選抜リーグ表

第1戦:音 VS Scato
渡辺三郎さんの順位表をみると、音は1位、Scatoは11位で、音が勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、音は11位、Scatoは1位で、Scatoが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、音は13位、Scatoは15位で、音が勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、音は3位、Scatoは13位で、音が勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、音は8位、Scatoは12位で、音が勝ちとなります。
よって4-1で音が勝利し、音に勝ちポイント1がつきます。

第2戦:音 VS 明野
渡辺三郎さんの順位表をみると、音は1位、明野は13位で、音が勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、音は11位、明野は10位で、明野が勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、音は13位、明野は1位で、明野が勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、音は3位、明野は16位で、音が勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、音は8位、明野は17位で、音が勝ちとなります。
よって3-2で音が勝ち、音に勝ちポイント1がつきます。

第3戦:音 VS 浜松ラヴィ
渡辺三郎さんの順位表をみると、音は1位、浜松ラヴィは8位で、音が勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、音は11位、浜松ラヴィは8位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、音は13位、浜松ラヴィは9位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、音は3位、浜松ラヴィは1位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、音は8位、浜松ラヴィは11位で、音が勝ちとなります。
よって4-1で浜松ラヴィが勝ち、浜松ラヴィに勝ちポイント1がつきます。

第4戦:音 VS エテルナ
渡辺三郎さんの順位表をみると、音は1位、エテルナは17位で、音が勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、音は11位、エテルナは16位で、音が勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、音は13位、エテルナは10位で、エテルナが勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、音は3位、エテルナは14位で、音が勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、音は8位、エテルナは1位で、エテルナが勝ちとなります。
よって3-2で音が勝ち、音に勝ちポイント1がつきます。

第5戦:Scato VS 明野
渡辺三郎さんの順位表をみると、Scatoは11位、明野は13位で、Scatoが勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、Scatoは1位、明野は10位で、Scatoが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、Scatoは15位、明野は1位で、明野が勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、Scatoは13位、明野は16位で、Scatoが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、Scatoは12位、明野は17位で、Scatoが勝ちとなります。
よって4-1でScatoが勝ち、Scatoに勝ちポイント1がつきます。

第6戦:Scato VS 浜松ラヴィ
渡辺三郎さんの順位表をみると、Scatoは11位、浜松ラヴィは8位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、Scatoは1位、浜松ラヴィは8位で、Scatoが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、Scatoは15位、浜松ラヴィは9位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、Scatoは13位、浜松ラヴィは1位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、Scatoは12位、浜松ラヴィは11位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
よって4-1で浜松ラヴィが勝ち、浜松ラヴィに勝ちポイント1がつきます。

第7戦:Scato VS エテルナ
渡辺三郎さんの順位表をみると、Scatoは11位、エテルナは17位で、Scatoが勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、Scatoは1位、エテルナは16位で、Scatoが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、Scatoは15位、エテルナは10位で、エテルナが勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、Scatoは13位、エテルナは14位で、Scatoが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、Scatoは12位、エテルナは1位で、エテルナが勝ちとなります。
よって3-2でScatoが勝ち、Scatoに勝ちポイント1がつきます。

第8戦:明野 VS 浜松ラヴィ
渡辺三郎さんの順位表をみると、明野は13位、浜松ラヴィは8位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、明野は10位、浜松ラヴィは8位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、明野は1位、浜松ラヴィは9位で、明野が勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、明野は16位、浜松ラヴィは1位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、明野は17位、浜松ラヴィは11位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
よって4-1で浜松ラヴィが勝ち、浜松ラヴィに勝ちポイント1がつきます。

第9戦:明野 VS エテルナ
渡辺三郎さんの順位表をみると、明野は13位、エテルナは17位で、明野が勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、明野は10位、エテルナは16位で、明野が勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、明野は1位、エテルナは10位で、明野が勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、明野は16位、エテルナは14位で、エテルナが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、明野は17位、エテルナは1位で、エテルナが勝ちとなります。
よって3-2で明野が勝ち、明野に勝ちポイント1がつきます。

第10戦:浜松ラヴィ VS エテルナ
渡辺三郎さんの順位表をみると、浜松ラヴィは8位、エテルナは17位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
江上孝則さんの順位表をみると、浜松ラヴィは8位、エテルナは16位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
河合孝夫さんの順位表をみると、浜松ラヴィは9位、エテルナは10位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
鈴木茂明さんの順位表をみると、浜松ラヴィは1位、エテルナは14位で、浜松ラヴィが勝ちとなります。
樋本英一さんの順位表をみると、浜松ラヴィは11位、エテルナは1位で、エテルナが勝ちとなります。
よって4-1で浜松ラヴィが勝ち、浜松ラヴィに勝ちポイント1がつきます。

さて、勝ちポイントを集計すると、リーグ表は以下の通りになります。

Scato 明野 浜松ラヴィ エテルナ 勝ちポイント
- ○4-1 ○3-2 ×1-4 ○3-2 3
Scato ×1-4 - ○4-1 ×1-4 ○3-2 2
明野 ×2-3 ×1-4 - ×1-4 ○3-2 1
浜松ラヴィ ○4-1 ○4-1 ○4-1 - ○4-1 4
エテルナ ×2-3 ×2-3 ×2-3 ×1-4 - 0

表4:勝ちポイント選抜リーグ表(結果)

結果を見ると、勝ちポイントが一番多いのは4ポイントの浜松ラヴィアンクールです。

よってこの時点で、総合1位は浜松ラヴィアンクールに決定しました。

2.3 総合2位を決める
次に総合2位を決めます。浜松ラヴィアンクールが1位に決定したので、以下の方法で新しい順位表を作ります。

  • 浜松ラヴィアンクールを順位表から削除する
  • 空白になった順位を上に詰め、1位から17位までの順位表を作る

浜松ラヴィアンクールが抜けたあとの順位表は以下の通りです。

順位 渡辺三郎 江上孝則 河合孝夫 鈴木茂 樋本英一
1 Scato 明野 LaMer エテルナ
2 マルベリー フリーダム 新潟フィル シャロン
3 LaMer LaMer マルベリー 新潟フィル フリーダム
4 シャロン 浜松フラウ シャロン June マルベリー
5 フリーダム マルベリー LaMer シャロン ピノ
6 Luna Luna ヴェール フリーダム LaMer
7 ヴェール シャロン Luna 浜松フラウ ユース松林
8 June ピノ 浜松フラウ Luna
9 浜松フラウ 明野 エテルナ ピノ June
10 Scato ユース松林 マルベリー ヴィステリ
11 ヴィステリ 新潟フィル June ユース松林 Scato
12 明野 June Scato 浜松フラウ
13 新潟フィル ヴェール ヴィステリ エテルナ 新潟フィル
14 ピノ ヴィステリ Scato ヴィステリ Luna
15 ユース松林 エテルナ フリーダム 明野 ヴェール
16 エテルナ フローレス フローレス ヴェール 明野
17 フローレス ユース松林 ピノ フローレス フローレス

表5:第63回関東合唱コンクール一般A順位表その2

そして、再び「仮の1位」を決めます。今回各審査員が一位をつけた団体は

渡辺三郎 江上孝則 河合孝夫 鈴木茂 樋本英一
Scato 明野 LaMer エテルナ

表6:一位団体表

となります。獲得数はそれぞれ、
室内合唱団 音・・・1
Scatola di voce・・・1
明野少年少女合唱団・・・1
La Mer・・・1
混声合唱団ルックスエテルナ・・・1
となります。この場合の「仮の第1位」は上記5団体となり、審査員の過半数(3)を超えています。よって、ルール3番

3. 「仮の第1位」が3団体以上存在し、かつ、「仮の第1位」全員の獲得数の合計が過半数を超える場合には、それらの団体で勝ちポイント選抜を行い、総合第1位を決定する

がまた適用され、5団体による「勝ちポイント選抜」が行われます。
ここから先は省略します。これが18位が決定されるまで繰り返されるわけです。

3.考察
今回は大混戦です。私は最後まで計算して見ましたが、獲得数が2以上、すなわち1位をつけた人が二人以上になるのは12位の「アンサンブル・ピノ」が決まるまでありません。それまでは「仮の1位」はずっと5団体で、審査員によって異なります。これは異常な事態だと思います。上位団体は審査員の間で傾向が出るものですが、今回はまったくありません。各団体ともそれほど実力伯仲していたのかもしれませんが、私は全ての演奏を聴いているわけではないのでなんとも言えません。

それから納得のいかない人が出やすいポイントとしては、例えば総合1位決めの際に登場した、

室内合唱団 音
Scatola di voce
明野少年少女合唱団
浜松ラヴィアンクール
混声合唱団ルックスエテルナ

のうち、上位に絡んでいるのは「音」と「浜松ラヴィ」だけであるところです。「Scato」と「明野」と「エテルナ」とも、1位をつけている審査員がいるにもかかわらず、1位をつけている人が誰もいないフリーダムより下位になってしまっています。
ここに新増沢方式の短所があると思われます。
ただ、他の採点方式がこれより優れているのか、というとまた別の話だと思います。ここで「音楽に点数をつけて評価する事の難しさ」が現れます。

非常に長くなりましたが以上です。可能であれば別の採点方法での順位が作れたら良いなあと思っています。

ではー。

*1:参考:http://www.geocities.jp/showahistory/book/requiem13.html http://blog.auone.jp/shigeplanet/?p=0&disp=mon_entl_p&y=2006&m=10