部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

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第60回全日本合唱コンクール全国大会 大学職場一般部門 その4

その1
その2
その3

の続きです。だいぶ記憶が薄れてきましたが一般部門Bグループの感想です。

コンクール二日目、11月11日は職場部門と一般部門Bグループでした。目当ては一般Bなので、職場部門が終わるのを見計らって入場し、観客が入れ替わるタイミングで中央の座席を確保しました。前日の反省を生かし、早めに座席を確保することを考えたのです。

さて、以下感想です。この日も「凄い!」と思った団体にマークを付けていったので、その団体について感想を書きます。

1.MODOKI
一般Bのトップバッターです。さすがに上手いと思いました。今回名演奏の少ないと感じた(要するに歌いづらい)課題曲G2を見事に歌っていました。
自由曲は小林秀雄の「前奏曲」から「火山の嵐に吹かれ」です。邦人合唱曲マニアの私としてはたまらん選曲です。「忘却の時にあって」もどこか歌って欲しいなあ。
演奏者の熱意、気持ちが伝わってくる演奏、という印象を受けました。

2.創価学会しなの合唱団
東京都大会に麗鳴で出場した際に、袖で待機中に聞いてあまりの上手さに僕の戦意を喪失させてくれたのがここです。課題曲M3、間宮芳夫の「田植唄」がこんなに素晴らしい曲だと自覚させてくれました。

さて、この日の演奏ですが、素晴らしい。日本の民謡をベースにした旋律歌う、良く抑制された大人数の男声による美しい和声(本当に美しかった)、ださい(失礼)ジャケットとネクタイおよびスラックスの、別段格好いいわけではない(大変失礼)男達、これこそビクターの日本合唱曲全集の帯に畑中良輔先生が寄せた「世界に冠たる『日本の合唱のすべて』」を感じられる演奏だと思いました。しびれました。とくに前半部分のスタッカート気味のクレッシェンド・デクレッシェンド(三善アクセントだったのでしょうか)にやられました。あと清水敬一先生の指揮はやはり酔拳のようだなあと思いました。
自由曲の「遊星ひとつ」は、あの演奏精度をもつメンバーで歌える人が非常に羨ましくなる曲だと思いました。男声合唱好きにはたまらん展開を楽しめます。僕は演奏聞けただけで酔いしれてしまいましたが、トップテナーにエース級がいたらもっと良かったと思いました。

3.大久保混声合唱
僕の中で大久保混声合唱団は辻正行先生と共に神格化されています。しかしきちんと演奏を生で聴く機会は意外と少なかったので、この日きちんと演奏を聴くことが出来て良かったと思います。
課題曲のG3「鼻」をコミカルに歌いきる力に凄みを感じました。当日パンフレットには「おそろしく上手い」と走り書きしました。
自由曲の三善晃の「海」の特に?の最後の盛り上がりは凄いと思いましたが、東京都大会の方が凄かったかも、と思ってしまいました。また、他にも凄い団体がいたからかもしれません。

この時点でかなりおなかいっぱいだったのですが、まだまだ続きます。

以下は「凄い!」マークは付けなかったのですが、知り合いと言うことで。

5.コール・キリエ
神奈川県代表で出ているキリエさんです。フリーダムも行きたかった。
自由曲はとても素敵な曲だと思いました。しかし全国では曲が素晴らしいだけでは目立てないなあと思いました。
キリエさんにはSopとTenにそれぞれエースがいるのですが、それ以外のパート、つまりAltとBassが弱いと思いました。
まあフリーダムもおそらく同じような感想になるんだと思いますが・・・。全国は凄い、という事ですね。

11.なにわコラリアーズ
以前、国立音楽大学女声合唱団ANGELICAとなにわコラリアーズのジョイントコンサートを聞きに行った際、「日本一の男声合唱団」と紹介されており「本当かよ」と思っていたのですが、その後の演奏と、この日の演奏を聞いて「やべえ、本当に日本一かもしれん」と思いました。

フリーダムも歌った、課題曲M4を、あの大人数できれいに、しかも軽く演奏していたのは凄いです。
そして何よりあの自由曲、トルミスの「鉄への呪い」は、新しい時代の男声合唱を体現していました。演奏精度と振り付けが見事にマッチしています。あの団体は並んだだけで格好良いんですが、上手いし動けるし、本当に凄いです。創価学会しなの合唱団は伝統的な日本の男声合唱の神髄を表現しようとしていたと思いましたが、なにわコラリアーズは指向している方向が別で、新しい事をしようとしていると思います。どちらも凄いと思いますが両方聞ける全国大会はやはり凄いイベントだと思いました。

文句なしここが一位だと思いました。個人的には「田植唄」が良いんですけどね。

12.グリーンウッド・ハーモニー
なんと言っても自由曲が、あのリゲティの「Lux aeterna」ですよ!混声16部合唱ですよ!あと「2001年宇宙の旅」ですよ!

でも凄いと思ったのは、必ずしも演奏者は壮年、青年ではないことです。ベースにはかなりお年を召した方も結構いらっしゃいました。でも演奏は凄いです。倍音が鳴りまくりで宇宙が見えましたよ確かに。こういう団体がいるんだ、と感激しました。

14.ヴォーカルアンサンブル≪EST≫
今年合唱関係で一番幸福な出来事は、ESTの演奏を今年の6月10日の、JCDA合唱の祭典で生で聞けた事です(参考)。楽しくて上手い素晴らしい合唱でした。なにわコラリアーズと同様に、これからの合唱を指向している団体だと思います。
この日も演奏も良かったです。自由曲は踊りながらなのに凄い上手いです。「ほらふき」がとても好きです。
あとテナーに船越英一郎に似た人がいたのが凄い気になりました。


以上です。他にも凄いところは沢山あったのですが、なにしろ疲れました。前日と同様、行った人で審査した結果は以下の通りです。あくまでお遊びですので「なんでここがこんな順位なんだ!」とかは無しでお願いします。

とはいってもかなり真剣に審査をつけました。審査するとなると真剣に演奏を聴きます。なんか出口調査とかして一般観客にも審査してもらうと面白いと思いました。

当たり前ですが正式な審査結果ではありません。審査員の先生方による審査結果はこちらです。

bata64 simanb FZ 195 ほやっちょん you 総合順位
なにコラ グリーン・ウッド なにコラ なにコラ 岡崎 なにコラ なにコラ
EST なにコラ しなの合唱団 岡崎 なにコラ 大久保 大久保
大久保 大久保 大久保 ノース・エコー 宮城三女高 グリーン・ウッド 岡崎
しなの合唱団 岡崎 ノース・エコー MODOKI ノース・エコー しなの合唱団 しなの合唱団
岡崎 MODOKI EST EST MODOKI 岡崎 ノース・エコー
ノース・エコー しなの合唱団 宮城三女高 宮城三女高 しなの合唱団 MODOKI EST
グリーン・ウッド EST 鶴岡土曜会 ある 大久保 ノース・エコー グリーン・ウッド
宮城三女高 ノース・エコー 岡崎 大久保 EST 宮城三女高 MODOKI
MODOKI 豊中 グリーン・ウッド しなの合唱団 グリーン・ウッド ある 宮城三女高
ある 宮城三女高 MODOKI グリーン・ウッド 鶴岡土曜会 EST ある
豊中 ある ある 豊中 豊中 鶴岡土曜会 鶴岡土曜会
キリエ 小田原少年少女 小田原少年少女 鶴岡土曜会 ある キリエ 豊中
鶴岡土曜会 鶴岡土曜会 トリル 小田原少年少女 小田原少年少女 小田原少年少女
キリエ 豊中 キリエ キリエ 豊中 キリエ
小田原少年少女 トリル トリル
トリル キリエ トリル トリル 小田原少年少女 トリル

全体的な感想ですが、全国は、一般の部だけですが、凄いと思いました。日本の合唱は凄いですよやっぱり。
そしてなにコラやCANTUS ANIMAEやESTのような、新しいことをしようとしている団体もいたり、従来の素晴らしい合唱をする団体もいて、幅に厚みがあるのも良かったです。演奏を審査することに賛否両論ありますが、コンクールは依然として合唱の重要な部分を担っている事は間違いないようです。もちろんこれがすべてではないとは思いますが。

ああフリーダムや麗鳴でもここに行きたいものです。頑張るぞー。

ではー。



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