部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

アマチュア合唱団の活動中に登場する著作権 2019春

マチュア合唱団で活動していると、著作権は避けて通る事が難しい事柄です*1
そして日本で音楽の著作権を管理している団体の最大手はJASRACなので、いきおい著作権に関する事例の登場人物としてJASRACが多く登場する事になります。

実体験やJASRACに照会したりしてこれまで確認したことを参考に書いてみます。
なお、関連する法令やJASRACの方針の改定などは日々発生する事ですので、最新の情報はJASRAC等に都度確認する事をお勧めします。

前提条件

ここに記載している内容に登場する楽曲は、JASRACが権利を管理しているものとします。

Youtubeニコニコ動画に演奏動画をアップロードしてもいいのか

演奏した合唱曲の音源または動画をインターネット上で無断で公開する事は「著作権上問題がある」と長らく言われてきました。
このブログでも言及したことがありますが、2019年3月現在、アップロードできます。詳細は以下を参照ください。

www.jasrac.or.jp

動画投稿(共有)サイトにおけるJASRAC管理楽曲を含む動画の配信利用については、サイトを運営している事業者側が許諾手続きを行っていますので、JASRACと許諾契約を締結しているサイトであれば、動画の投稿者が個別に許諾を得なくても、JASRAC管理楽曲を含む動画をアップロードすることができます。
ただし、利用方法によっては、手続きが必要となるケース等がございますので、以下のフローチャートおよびご利用上のご注意を必ずご確認下さい。

個人が自分で演奏した録音や動画であれば、ほとんど問題なく利用できると思います。団体だったり、外国の曲をアップロードしたい場合は別途条件が付くようです。
あと、Youtubeだけでなく以下のリスト記載のサービスなら同条件で利用できます。

www.jasrac.or.jp

なお、著作隣接権の侵害がないように、合唱団であれば指揮者、伴奏者、合唱団員といった、演奏に関係する全員からアップロードする事の合意を得なければいけません(さもなくば公開後に揉めるリスクがあります)。
また、自分たちが主催していないイベントでの演奏録音の場合は該当イベントの主催者に連絡して許可を得る必要があります(さもなくば略)。
ちなみにニコニコ動画で自分たちの演奏動画がまったく心当たりがないのにアップロードされている例がいくつかありますが、著作隣接権を侵害されている事になります。揉めたくないので放置していますが当然良い気持ちはしません・・・。

自分たちで編曲した曲を演奏してもいいのか

一般的な合唱曲ではなく、POPSを自分たちで合唱用にアレンジして歌いたい場合は、その曲の権利者から許可を得られれば演奏できます*2
なお、ここでいう「権利者」は多くの場合出版社、レコード会社等の企業、法人であり専用の窓口が存在しますので、しかるべき連絡先から所定の手続きをすれば許可を得る事が可能です。
この場合、以下に記述されている通りJASRACは関係しません。

www.jasrac.or.jp

なお、JASRACでは編曲権・翻案権の譲渡を受けていないため、編曲することなどについて許諾することはできません。

ただしJASRACに問い合わせると、権利者が誰(どこの会社)かと、連絡先を教えてくれます。

高校の吹奏楽部がコンクール等で市販の楽譜から一部を省略する等の「編曲」をして演奏することは良くある事らしく、該当の出版社の窓口で申請を行っているようです。

なお、編曲の許可はされない事もありますし、許可する条件として利用料が発生する事もあるようで、曲や権利者によってまちまちです。
参考に私が所属している合唱団が東京都合唱連盟主催のイベントに出場するにあたり独自に編曲した楽曲を演奏するために色々調べて許可を得ようとした2ケースについてご紹介します。

ケース1:某有名テーマパークのCMソング

JASRACから紹介してもらった権利者である某企業の窓口に電話したところ、「アマチュア団体には原則許可していない事にしているので不可」との回答。つれない。

ケース2:某80年代ヒットソング

JASRACから紹介してもらった権利者である某企業(ケース1とは別のところ)の窓口に電話したところ、「別にいいっすよどうぞどうぞ」的な回答を受ける。
これだけだとあまりにもアレなので一応メールでも回答してもらう。

では。

*1:NHKの受信料のように敢えて無視する例も聞きますが・・・

*2:JASRAC管理楽曲を演奏するにあたっての申請は別途必要です