部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

ドラえもん(藤子・F・不二雄、小学館)

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

というわけで「ドラえもん」である。何故「ドラえもん」かと言うと、はてなダイアリーの書籍検索機能「はまぞう」で、全く検索が出来なかったからである。「ドラえもん」というキーワードですら数回リロードしてやっと出てきた。

ドラえもん」と言えば、もはや説明不要の、とか言われますが、ビートルズトルストイ*1とかも、説明不要のあの有名な、と言われて、こっちが知らない場合困るので、有名でもまずは説明して欲しいものだと良く思うので書いてみる。

小学生の男の子であるのび太と、未来からやってきたのび太の孫のセワシが未来をより良くしようと、のび太の面倒をみるためのロボットとして送り込んだドラえもんが主人公の漫画である。ここまで書いて、実は「ターミネーター」はドラえもんのパクリじゃないか(あるいはその逆か)と思ってしまった。未来を変えるために過去にロボット(サイボーグ)を送り込むんですよ。
と思ったら同じ事を考えている人は結構いた

もう、子供の頃から「ドラえもん」を何度も何度も読んできた自分には、未来の世界のネコ型ロボットがのび太の元にやって来てひみつ道具を使ってのび太を助けたりのび太が調子に乗って道具を悪用して痛い目にあったり、たまに良い事をしたりするのが当然の如く受け入れる事ができるが、これはれっきとしたSFである。「第二ファウンデーション」とか「対消滅機関を使用した潜水艦」といったキーワードが出てこなくても、「どこでもドア」や「どくさいスイッチ」でSFしているのである。オーバーテクノロジー(行き過ぎた科学)を悪用した人類の結末、といった寓話ものび太がひみつ道具を悪用して痛い目に遭う、という、読者に身近な世界で見事に表している。


漫画家の坂口尚*2の作品で「星の界」(ほしのよ)という作品があって、手塚治虫の追悼作品なのだが、この中に出てくるセリフで「地球では不思議な事が起こる。一人の思いが四方万里を駆けるのだ」というようなセリフがある。これは坂口尚の、手塚漫画への思いが込められた言葉だと思う。

また、法事に行った際、お坊さんが説話で「亡くなった方の思い出話をするのは、心の中でその方が生きていると言う事なんです」と言っていた事がある。

「ああ、どくさいスイッチ怖いわー」とか「もしもボックスとウソ800のコンボ最強」という話題が今でもインターネットを使って駆け巡っている。「ケロロ軍曹」に代表される、「ドラえもん」を意識した作品も出続けている。なので藤子・F・不二雄の作品は未だ四方万里を駆け、多くの人の心の中に生き続けている事になる。20世紀の一時代を代表する良心が生き続けている社会は素晴しいと思う。そう考えるとこの世界が愛しく思えます。それぐらい偉大な作品。そして子供のための漫画の重要性を思うわけですよ。


ちなみに「星の界」は、「VERSION」という漫画の下巻に収録されている。なかなか手に取ることは無いと思うが、しみじみと良い作品です。

VERSION(下) (講談社漫画文庫)

VERSION(下) (講談社漫画文庫)

それでは。

*1:潮文庫の小説の解説にすら、「後はご存知の通りである」とか書かれてしまっている。有名なの知らないこっちが悪いかもしれないけど、一応説明して欲しいものである

*2:この方も既に故人ですが