部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

どいつもこいつも(雁須磨子、白泉社)

どいつもこいつも 1 (ジェッツコミックス)

というわけで「どいつもこいつも」である。「メロディ」という雑誌に載っていた、雁須磨子の漫画である。陸上自衛隊の隊員が恋愛したり、仕事に打ち込んでがんばったりする漫画である。この漫画が載っているころの「メロディ」は面白かった気がするのですが。最近はどうなんでしょう。

で、またもやこの漫画についてのすばらしい文章を見つけたのであらすじは省略である。

雁須磨子の漫画は、面白いことを妹や姉と共有できた。「どいつもこいつも面白いよねー」が合言葉である。「ふてえんだよこのにのうでがー」も家族内で流行った。

少女マンガにありがちな激しい恋愛模様(『どうしよう・・・私、○○が好き・・・!!』みたいなセリフが出てくるやつ)とか、背景に花が出てきて眼の中に星が沢山光る事が無いのも、男性が読み易い理由の一つであると思う。

主人公の朱野の、恋愛に対する距離や心理描写は絶対に男性には表現できないと思う。男である僕には、朱野の心理は想像すらできない。乙犬と同様、呆然として「こいつはこういうやつなんだ」と納得するしかない。男性が描いた恋愛漫画における女性の心理描写は、頑張っても「Boys Be」と同じ地点からなかなか脱却できない*1。男性からみると非常に都合の良い女性しか出てこないのが多いのである。しかしこの漫画に登場する女性はみんなクセだらけである。高校や中学、会社における、僕の数少ない女性との関わりから見ると「あーこういう喋り方とかつるみ方してる(た)なあ」と思える。

雁須磨子の作品は大体、男性が女性に勧める事が出来る漫画だと思う。しかし、作品の中には、いわゆるBLものもあったりする*2ので注意である。あと「どいつもこいつも」の花とゆめコミックスに収録されていた「地獄の玉三郎」という短編は素敵である。大事なものを失った家族の描き方が素晴らしい。お父さんが特に。時間の経過というのは偉大だなあと思いました。

*1:黒田硫黄とかよしもとよしともは別。そしてたぶん、凄い人はもっといると思う。直感で書いてすみませんすみません

*2:また男性の心理描写も上手いんだこれが