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部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争- (速水螺旋人、徳間書店)

靴ずれ戦線 1 (リュウコミックス)

靴ずれ戦線 1 (リュウコミックス)

靴ずれ戦線 2 (リュウコミックススペシャル)

靴ずれ戦線 2 (リュウコミックススペシャル)

モーニング・ツーで「大砲とスタンプ」という、軍隊の兵站部隊の女性将校が主人公の大変おもしろい漫画を連載中の、速水螺旋人の作品です。

大砲とスタンプ(5) (モーニング KC)

大砲とスタンプ(5) (モーニング KC)


第二次世界大戦における独ソ戦のさなか、ソ連軍は侵攻してくるドイツ軍に対抗すべく魔女に支援を要請します。魔女の家まで派遣されたソ連軍の女性将校のナージャと魔女の孫娘のワーシェンカが出会い、独ソ戦を戦いながらベルリンまで行くという、ミリタリーとファンタジー両方の趣味を満たせる設定の作品です。

大変面白いのですが、この作品が特に凄いと思う点としては

  • スラヴ民話に登場する英雄、妖精、ロシア正教の伝承上の聖人等が京都弁で登場する


という点です。「標準語で話す」人間「京都弁で話す」神話の世界の住人達の、「言葉は通じるけどお互いちょっと違う」という関係性の表現は凄く良いと思いました。

史実に基づく独ソ戦の描写、考証に基づいた伝承、神話上の登場人物が近代戦争で戦う面白さ、そして女の子がかわいいという事で非常におすすめです。

なお、作中でクロアチアにおけるウスタシャによる殺戮だったりナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害、ドイツ軍の捕虜になったソ連兵の過酷さも描かれていて、第二次世界大戦、とりわけ独ソ戦がどれだけ過酷な戦争だったかをさりげなく提示してくれます。

このあたりについてさらに詳しく知りたい方には、参考図書として昨年のノーベル文学賞作家であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」をおすすめいたします。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

では。