部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

NHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」を観ました

先日小樽の実家にお盆休みで帰っておりました。その際にテレビを付けたらやっていたのが、NHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」でした。

NHKのホームページ
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090809.html

日本海軍OBが戦後に集まって密かに太平洋戦争の反省会を行っていて、その録音(400時間あるそうです)を元にしたドキュメンタリーです。これは面白そうだと思い、第1回と第3回(第2回は実家の父と飲んだくれていて観られませんでした)を観ました。

観た感想ですが、大変興味深かったです。当時のエリートだった海軍軍令部の参謀達は、現場の事をあまり重視せず作戦を決めていたようでした。
その原因としては色々あったようですが、その中の、

多忙すぎて場当たり的な対応に終始してしまった

というのは僕の職場でも良くある現象なので親近感を持ちました。これは組織の作り方が悪かったのではなかろうか。

多忙な業務に追われ、重大な決定が無理解な上司によって行われようとしてどうしようもなくて、「責任取るのは上司だからもういいや」となってしまう・・・。ありがちです。日本の企業でありがちではないでしょうか。

第1回の最後に「いやーあの時は参ったわ。あっはっは」という笑い声が挿入されたのには制作者の悪意というか意図を感じました。反省会の出席者は録音公開するつもり無かったんだし、まあ良いじゃないかと思うんですけどねー。沢山の人が戦争で死んだ責任は、というのは、立ちすくむしかないとてつもなく重い問いかけです。でも会社だったら責任取るのは上からだし、当事者はこんなもんだと思いました。戦死者の遺族がどう思うかは微妙ですが。

また、軍令部のトップ(総長)に皇族を付けたから権力が強くなってしまったのでは、という指摘を頑張ってするOBの方も紹介されました。ここらへんもっと突っ込んだら、教科書に載らない歴史が学べると思えました。調べてみたい。

第3回では敗戦時に、「一番上の人」である天皇の責任を回避すべく頑張る海軍OBの姿が描かれます。天皇、海軍大臣といった上層部の死刑を回避させるために、責任を現場の責任者に取らせるのはひどいと思いました。中間管理職が割を食う訳です。結果として上層部は東京裁判で生き残り、中くらいの人たちは責任を取らされて絞首刑となっています。仕事クビならまだしも、上司の責任取らされて殺されるなんて、ひどい時代だったと言わざるを得ません。
でも、上の責任を部下に取らせるのって、今も良く聞く話ですよねー。政治家と秘書とか。この伝統は生きていると思いました。悪しき伝統だ・・・。

あと、「海軍反省会」でネット検索したらこのNHKスペシャルの感想で、「日本人とはなんとひどい国民だ」とか書いている人がいましたが、僕は何処の国でもあり得そうな普遍性があると思いました。
しかし「天皇の責任を回避させる」という風に考えた当時の日本の政治を動かしていた人たちの考え方は日本独特だったのだろうと思いました。これはなんでなんだろうなあ。

これからはこういう伝統に関係ない人たちの時代だと思いますが、いろいろ陰謀とか考えている人たちが生き残っているんだろうなあと、インターネットの情報の断片からうっすらと感じられます。こういう情報は今後確実に蓄積されていくだろうし、これまで出来なかったことだと思うのでとても素晴らしいと思います。たとえばネットのおかげで、今後酒井法子が芸能界に復帰しても、新聞やテレビは初動でどう報道して、どういう報道に変わったか、そこにどういう圧力があったかの情報(噂にすぎないもの含めて)は、永久に残せて誰でも観られる状態に出来るし、我々はそれらを読んだり観た上で、生暖かい目でテレビに復帰した酒井法子を観られるわけです。これは素晴らしい。

ではー。