Zoomによる合唱練習の中継について その1
はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い趣味のアマチュア合唱活動は練習が出来ず2020年3月以降ずっとお休みしていましたが、その後、ビデオ会議ソフトウェア「Zoom」を使った打ち合わせやオンライン練習を実施するようになりました。そして2020年後半には会場練習をしつつZoomで中継を行い、当初は指揮者は安全を考慮してご自宅からオンライン参加していただき、そして会場に来れないメンバーもZoomからオンライン参加を行うという形態で練習をするようになりました。
半年以上Zoomで合唱練習を中継してみてわかった事や注意点などについて、書いていきたいと思います。
中継の概要
私が所属する某男声合唱団では、以下のような形で中継をしながら練習をしています。
必要な機材
前項のような形でZoomでの中継を行う際に必要な機材は以下の通りです。
パソコン(Windows10)
Zoomはスマートフォンまたはパソコンで利用できますが、後述する外付け機器(マイクやスピーカー)との接続の容易さを考慮するとパソコンの方が良いと考えます。
会場への持ち運びを考えるとノートパソコン、OSはWindowsかMacという事になるかと思います*1。
私はWindows10がインストールされたMicrosoft Surface Pro(5th Gen) モデル 1796 i5を使用しています。
スマートフォン
パソコンのカメラと別のアングルで会場を映すための第二カメラとして、兼、会場に公衆Wifiが無かったりあっても電波が弱くて使えない場合にテザリング機能を使ってインターネット接続をするための通信デバイスとして使用します。
テザリング機能が使えるならAndroid、iPhoneどちらでも良いと思います。私はAndroid端末のみ所有しているのでそちらを使用しています。
なお、テザリングを使用する場合はデータ通信量がどれくらいか、合唱団としていくら支払うかをあらかじめ協議しておきましょう。この費用に限らず団員個人負担に依存する事は将来に禍根を残すリスクがあります。
(オプション)モバイルルーター
会場で公衆Wifiが使えない場合、かつ、合唱団員でモバイルルーターを契約していて練習時に提供してくれる人がいる場合はありがたく利用させてもらいましょう。
これも、団員が負担する費用および合唱団が支払う費用についてはあらかじめ協議しておきましょう。
(オプション)外付けマイク
Zoomでの中継に当たっての音声入力はパソコン内蔵マイクが利用できます。が、合唱という音楽活動を中継する事を考慮すると音質は良いに越したことはないため、マイクはなるべく良いものを使用するべきです。という事でオプションと書きましたが、出来る範囲で、高性能な外付けマイクを用意しましょう。
市販されているマイクはダイナミックマイクとコンデンサーマイクとに大別されますが、後者のコンデンサーマイクの方がマイク感度が良い、すなわち高性能であると言えます。
ただしコンデンサーマイクは別途ファンタム電源という形式の電源が必要だったり取り扱いが難しい(壊れやすい)、比較的高価という短所があるのですが、最近はファンタム電源不要のUSB接続コンデンサーマイクというものが、どうやらYoutuberなどのネット配信というニーズがある関係か、存在します。
私はオーディオテクニカ製のUSB接続コンデンサーマイク「AT2020USB+」を使用しています。
audio-technica USB マイクロホン AT2020USB+ テレワーク/在宅勤務/生放送 / 録音 / ポッドキャスト / 実況 ブラック
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- メディア: エレクトロニクス
なお、ファンタム電源が不要ではありますが「取り扱いが難しい(壊れやすい)」、「比較的高価」という点は変わりませんのでこれは甘受する必要があります(そして、私は甘受したわけです・・・)。
(オプション)外付けスピーカー
Zoomでの中継に当たっての音声出力はパソコン内蔵スピーカーが利用できます。が、指揮者がZoom経由でオンライン参加の場合、指導の声が内蔵スピーカーの音声レベルを最大にしても広い会場では良く聞こえない、という事がありえます。
こういう場合は音量レベルを大きくできる外付けスピーカーを利用しましょう。
私の場合、使用するパソコンのUSBポートの数が少ない事、および元々持っていた、という事もありBluetoothでパソコンと無線接続できるスピーカーである「Harman Kardon Esquire」を使用しています。
ケーブル類(USBケーブル、電源ケーブル)
外付け機器を接続するためのUSBケーブルを、必要な本数や規格(type-Cとかいろいろあるので)を確認して用意しておきましょう。また、スマートフォンやモバイルルーターは練習中に電源が落ちないようにUSBケーブル経由で給電した方が(主に心理的に)安心です。あと、充電専用USBケーブルだと通信できないので種類も注意しましょう。電源ケーブルも必要な機器の分だけ忘れずに。パソコンも中継中は電源ケーブルを接続して給電しておくべきでしょう。
単純な事ではありますが、いざ会場についてからケーブルが無かったり使えない場合は中継不能な状態になってしまうので結構大事です。できれば事前に接続してみてきちんと動作するかを確認しましょう。
あと、会場での取り回しを考えて長さも考慮しましょう。スマートフォンをカメラ代わりにしてかつ充電しながら使用するならば、ケーブルはなるべく長い方が良いと思います。
(オプション)電源タップ
パソコン、スマートフォン等を練習中に給電した状態で使用したい場合は電源が必要です。会場側で十分な口数の電源がありケーブルの取り回しにも問題なければいいのですが、会場の隅っこに1個しかないとか会場の外にしかない、といった場合もあり得るので、自分で電源タップを持ってきた方が無難です。
私は秋葉原の愛三電機で購入した4個口電源タップを使用しています。
Zoomのライセンス
Zoomは無料でも使用できますが、3人以上参加の会議は40分までという制限があります。気兼ねなく使いたい場合は有料ライセンスを購入しましょう。
なおちょっとしたお得情報ですが、Zoomの有料ライセンスで一番安い「プロ」は日本円で年間20,100円ですが、通貨を米ドルにすると年間149.90ドルです(いずれも2021年4月現在)。
2021年4月時点の円相場を考えると16,000円くらい、そしてクレジットカード決済が使えるので米ドルが利用可能、という事で、米ドルで決済した方がお得です。
なお、ライセンスはすでに合唱団員が購入している場合もあると思いますが、合唱団で買うのか、個人が持ってるライセンスを使わせてもらうのか、使わせてもらうとしたら合唱団としていくら支払うか、という事は後から揉めないようにあらかじめ協議をしておきましょう。