部屋を掃除したら漫画が沢山出てきたので書く日記

漫画とか合唱とかUNIXとかLinuxとかについて書く日記です。

戦中派不戦日記(山田風太郎、講談社)

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

小樽の実家には、父が学生時代から買い集めた沢山の小説が書庫に収められています(ただし最近父が手に取っている形跡は見られませんが・・・)。若いころは全く興味が無かったのですが、最近になって「お、司馬遼太郎の『王城の護衛者』あるじゃん借りてこー」とか「おお、開高健の『ベトナム戦記』がある!借りよう」という調子で東京まで持ってきております。

さて、そんな調子で父の書庫から借りてきた本の中の一冊が山田風太郎「戦中派不戦日記」です。
1922年生まれの山田風太郎は太平洋戦争の終戦の年である昭和20年(1945年)には23歳で、旧制東京医学専門学校(後の東京医科大学)の学生で東京の目黒に下宿していたそうです。
その、本名、山田誠也さんが1945年の1月から12月の間に書いていた日記です。

本書の特徴ですが、口語体と文語体が入り混じっています。これについては作者も「まえがき」で断っていますが、

それから、現在、当時の私と同年齢にある人が、当時の青年はだれもがこんな文語体で書いたのかと思われるかもしれないが、やはり当時としても現代同様の口語体で書く若い人の方が普通であったと思う。

だそうです。また、「あとがき」には

当然年齢相応の、青くさい、稚拙な、そのくせショッた、ひとさまから見れば噴飯物の観察や意見もある。特に自分でも閉口するのは、中に妙な小説がかった書き方をした部分である。

とあります。後から公開する事を想定していない23歳の青年が書いた日記ですので、色々と若気の至りがあったのだろうと思われます。
そしてわが身に置き換えて、若いころに書いた日記やブログ記事を読み直して人様に公開するなんて事になったら、「うへーやめてくれー」と思ってしまいます。

が、時代はともあれ目黒に下宿している23歳の若者が見聞きしたり考えた事が書かれた日記です。現代の青年だったらブログやfacebooktwitterにしたためていたかもしれない、当時の状況や心境をリアルタイムに記しているという事で、非常に興味深いです。
例えば2011年3月11日に起きた東日本大震災を身近に体験した人のブログやtwitterアカウントがあったら、どんな経験をしたのか、どう考えたのか、という事を知りたくて読んでみたくなると思います(実際私はそういう人が書いた文章を沢山探したものでした)。

若き山田風太郎が敢えて文語体で書いている事もありサクサクという訳にはいかなかったのですが、その当時に東京で暮らしていた23歳の青年の日記として、面白く読む事が出来ました。

日記の内容は、1945年1月から3月にかけては戦時中の生活の大変さ(空襲警報が多発する、食べ物や物資が無い、銭湯は大混雑でお湯が汚いしぬるいし盗難が多発する)や、学生生活の様子(試験勉強してなかった数学の試験直前に空襲が起きたので試験が無くなり喜ぶ)など、戦時下という異常事態ではあるもののその中での日常生活の描写が中心となっています。

が、3月に入って東京大空襲が起きてB-29によって東京の街が焼け野原になっていき、5月にはとうとう居住地である目黒が焼け出され、近隣住民と必死に火を消そうとするがどうしようも無くなって命からがら避難する様が書かれています(その一方で『一緒に消火活動している女の子がかわいい』というような若者らしい感想もちゃんと書いてたりします)。このくだりは当事者ならではの臨場感のある描写となっています。

そして、時間の経過による作者の心境の変化がわかるのも非常に興味深いです。年初はまだ比較的のんびりしていますが、空襲を自身が体験し、沖縄本島に米軍が上陸してついに本土決戦が近いという空気に世間が変わっていく中で「本土決戦で国民が敵を一人でも殺さなくては、たとえ勝てなくても日本人が一人残らず死ぬまで戦い続ける事で後世に記録が残る」というように思い詰めていく様が書かれています。そして終戦を迎えてショックを受けながらも淡々と少しづつ事実を受け止めていく様子も見る事が出来、当時の青年の心境が克明に記されて、かつそれが身近に感じられるというのは物凄く貴重な事だと思いました。

以前、独ソ線を戦った旧ソ連の女性達の証言を集めた「戦争は女の顔をしていない」という本を読んだ時にも感じましたが、戦時下で敵の脅威が祖国に迫っている、という非常に追い詰められた状態に陥ったら普通の人達も危険を顧みず戦う事を選ぶ(国家による教育の成果ももちろんあると思いますが)のだなあと感じました。
ちなみに「戦争は女の顔をしていない」はとびきり凄い本ですので一読をお勧めします。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)


それから、山田青年も日本のために戦うぞ!と決意を固めた中やってくる米軍のB-29の爆撃が、物理的にも精神的にもいかに効果的な攻撃だったかが、山田青年や周りの人たちの被害、心境から感じられました。戦う決意を固めても、高空を飛んでやってくる爆撃機には一般市民はどうする事も出来ません。制空権と制海権が無くなった国家は本当に悲惨な事になるものだと改めて感じました。
東京が爆撃で首都として機能しなくなって、広島と長崎に原子爆弾が落とされて(どうやら長崎については当時は知りえなかったような記述になっていますが)、さらにドイツが降伏したというニュースが流れ、ソ連が参戦するというニュースが流れていく中、戦う決意をした人々がだんだん追い詰められていく様が非常に生々しいです。

もう一つ、これは「戦争中の暮しの記録」を読んでいても感じるのですが、昭和20年の日本人の行動、考え方は現代の日本人とそんなに相違が無いように感じられました。
例を挙げると、

  • 戦争の末期に日本政府がソ連に米国への仲介を頼もうとしているというニュースに接して「そんな事頼んだって上手く行く訳ねーだろ」という感想を持つ
  • 終戦後に当時の首相だった東条英機が、ドイツにおけるヒトラーのように悪の張本人であるように宣伝するアメリカの報道機関におもねる様に同調する日本の新聞や世論に対して、「大抵の日本人は東条は一軍人に過ぎないと考えているが、敗戦の責任を押し付けるために敢えて否定していないように思える。むしろ犠牲者ではなかろうか」と考えている
  • 戦時中は学生に厳しく軍事教練をしていた教官が敗戦後は学生から嘲笑されている様はやりきれないが気持ちはわかるなあと考えたりする

というような事が書いてあります。あと、教科書で習った戦時中の暮らしにガス、水道、自動車といった近代的なインフラが登場しないのは、全て軍事用に回されて無くなってしまっただけであって既に整備されていた事にも思い当たりました(さすがにインターネットは無いですが・・・)。地方はどうだったのか分かりませんが、都市部に住む人の生活様式、考え方は現代とさほど違わなかったのではないか、と思うようになりました。
なので、もし戦時中にはてなブックマークtwitterがあったらこういう意見が出てそうな気がします。そして今で言うネット右翼的な思考の人も勿論いて、喜んで国家に従っていた事だったろうと思います。72年前はそう遠くない過去だと思えました。
そして、当時の日本人も現在と同じ考え方を持った現代人だったとすると、「今、同じ事態になったら当時と同じ事が繰り返されるだろう」と思わずにはいられないのでした*1

その他、天皇を往来で批判したら張り倒されるような空気が終戦後に全く無くなったり、とは言え天皇が映画館で写ると皆今までの習慣で脱帽の上起立してしまったり、戦争末期の学生は割とフランクに「特攻隊に行くぜ!」と考えていたようだったり、都内の電車は当時から超満員だったとか、当時の空気が感じられる、とにかく貴重な記録であると感じました。

という事でブログやSNSに自分の日記や意見をしたためる事が一般的になった今の時代に合う、とても身近に感じられる読み物だと思いました。

なお、「戦争はとにかく悲惨で二度と繰り返したらだめ!」というような論調で悲惨さを強調するものは読んでいて非常にしんどくなるので手が出ませんでしたが、淡々と当時の記録が記されている書物というのはとても興味深く読めると最近思います。そう遠くは無い過去の出来事とはいえ、今の日本人に太平洋戦争の事を伝えていくためにはこれまでと語り口を変えないといかんのではなかろうか、と劇場版「この世界の片隅に」を観たり「夕凪の街 桜の国」を読んだりしてぼんやり思いつつ、次は「戦争中の暮しの記録」に手を出すのでした。

戦争中の暮しの記録―保存版

戦争中の暮しの記録―保存版



ではー。

*1:ただし今のほうが良いなあと思ったのは、役所や警察、鉄道といった公共機関の職員が、当時は非常に横柄だったという事です。今はそういう人は大分いなくなったと思います

あけましておめでとうございます

2016年は歴史の教科書に載りそうな出来事が沢山起きた年でしたが、個人的には今年は色々と激動の年になりそうな予感がしております。

さて、先日twilogというサービスで自分がTwitterを使い始めてから現在までの全ツイートをダウンロード出来る事を知りここ数年のものを眺めてみましたが、そのとき面白いと思って言及したりリツイートした事への顧みなさに少々反省してしまいました。

事象を掘り下げる事なく、その時だけしか興味を示さないような人をネット上では沢山見かけるように思われる(そう思うだけで実際には違うのかもしれませんが)事に辟易していたのに、自分も同じじゃないかと恥ずかしくなったのです。

という事で過去を振り返り何か面白そうな事をブログに書けたら良いなあと思っています。ある時期に話題になった事を、誰も言及しなくなった頃に言及してみるというのは、何となく自分の性に合っているような気がします。

昨年は念願のWindows10登載マイパソコンをようやく購入しましたし、環境は整ってきました。月一くらいでブログを更新して、ささやかな自己顕示欲を全世界に発信したいなと思う所存です。

それから、題名に漫画と銘打っているのに漫画についての記事が少なくなっています。あと、TVブロスの2016ブロスコミックアワード大賞(『猫のお寺の知恩さん』)および各賞受賞作品をほとんど読んでいない事にショックを受けました。

昨年から漫画購入の予実管理をRedmineで行っているので完了済みチケットを眺めてみましたが、続編ばかり購入していたようです。
これはあまり冒険してないというのと、漫画を買うための情報収集が疎かになっていた(仕事があまりにもアレな事態になり心の余裕が無かったというのもあるのですが・・・)のだと思います。
とりあえずTVブロスの定期購読を再開しておこうと思います。図書カードも貰えるぜ。
過去に書いた漫画の記事を、ちょっとしたネット上の有名人の方に評価してもらえたぽく嬉しかったので今年は頑張ってみようかと思っています。

合唱の活動については今年も、合唱団運営のための調整の苦労と歌う楽しみを天秤にかけながら続けていけたらと思います。本番も沢山ありますし。

使い続けているSolarisについては少々衝撃的な噂がネットを駆け巡りましたが、とりあえずもうちょっとちゃんとしたソースからの情報待ちです。

という事で書くことねーなーと思ってましたが何となく今年の抱負的な記事になりました。今年もよろしくお願いいたします。

ではー。

最近心ときめいた合唱・アカペラ動画について

昨年から気持ちが沈みがちでブログ更新する気力が無かったのですが、最近になって元気が出てきたので更新してみます。

さて、以前は合唱のCD、楽譜の新作を探しに銀座のヤマハまで行って買いまくっていたのですがそれもしばらくやっておらず、知っている合唱曲のストックが増えない状態が続いていました。
「あーこれ、さらに年を取ったら特定の曲しか演奏しない(できない)おじいちゃん合唱団と同じメンタリティになるわ」と思いつつもどうする事もせずに毎日が過ぎて行っておりましたが、所属している合唱団にて2017年度のコンクール自由曲に内定していた曲がボツになってしまい、団員から推薦曲を改めて募る事になったので久々に情報収集を行いました。
その結果CDをたくさん買い、コンクールに関係ない楽譜も買っちゃったりして久々に「合唱に詳しい俺」的な気持ちになれたのでした。
さらに気持ちが盛り上がって通勤中にスマートフォンからYoutubeで演奏動画(条件を満たすと著作権上問題なく公開できるようです。素晴らしい)を調べたところ、今まで知らなかった素敵な演奏をいくつか見つけられました。という事でご紹介致します。

星間飛行


マクロスF(マクロスフロンティア)という2008年のアニメ作品の挿入歌星間飛行を、一橋大学の学生によるアカペラグループFrom'A`がアカペラアレンジして演奏している動画です。
オリジナルはニコニコ動画にアップロードされていますがYoutubeにも転載されています。


アカペラ 星間飛行 From'A`

わたくし、見た目とか言動がオタクっぽいと良く言われたりするのですがこの作品は見ておらず、この演奏を聴いて初めて曲の存在を知ったのですが曲も歌詞も素晴らしくて感動してしまい、中島愛が歌うオリジナル版、中川翔子、かせきさいだあがそれぞれカバーしているバージョンも探して何度も聞いてしまいました。良い曲っすねこれ!すげえ良いわこれ。
 で、調べてみたら松本隆が作詞、菅野よう子が作曲なんですね。松本隆松田聖子楽曲に作詞していた人ですが、この曲も往年の「聖子ちゃん」が歌っても遜色の無いアイドル歌謡の詩となっていて(実際、「銀河一のアイドルのデビュー曲」というコンセプトだった模様)、さすが「瑠璃色の地球」を作詞した人だなあと感心しました。「透明な真珠のように宙に浮く涙」とか「濃紺の星空に私たち花火みたい」というフレーズがとても印象的です。
それからこのアカペラアレンジ版を聞くと、敢えてオタクっぽい格好(手入れしていない髪、お母さんに選んで貰ったようなシャツ、バンダナ、かっこよくないジーンズの着こなし等)をしながらのパフォーマンスも素晴らしいのですが、菅野よう子楽曲の持つ独特のコード進行がアカペラだとオリジナル版よりハッキリとわかり、素晴らしさを引き立てているように感じられました(そしてコーラスアレンジが素晴らしい)。ふざけた格好をしていますが彼らの演奏レベルはかなりのものなので実現できている、素晴らしい演奏です。これはいいものだ。

「From'A`」は2016年現在活動していないようですが、このコンセプトでまた何か歌って欲しいものだと思いました。

Wedding Qawwali


Chor Leoni performs Wedding Qawwali by A. R. Rahman, arr. Ethan Sperry


日本でも上演されたミュージカルBombay Dreamsの挿入歌である「Wedding Qawwali」男声合唱にアレンジしたものを、Chor Leoni Men’s Choirというアメリカの男声合唱団が演奏している動画です。


なお、ミュージカルで使われているオリジナル版は以下の通りです。動画のサムネイルを一目見たら「ああ、インドのミュージカルだな」と思えました。


Mubarakaan Wedding Qawwali: Sukhwinder Singh: Bombay Dreams


Qawwali(カッワーリー)といえばヌスラット・ファテ・アリ・ハーンが吟じる姿が思い浮かびますが、この曲は「ムトゥ 踊るマハラジャ」や「スラムドッグ$ミリオネア」といった映画の音楽を手がけている作曲家であるA. R. ラフマーンがミュージカル用に作った曲です。インドの伝統的な宗教歌謡と現代のミュージカルとの融合という時点で凄い!と思えるのですが、この男声合唱アレンジも凄く良いです。ギターとタンバリン、そしてジャンべの音があるのが良いですね。

こちらの動画の説明欄にこのアレンジの楽譜がある旨書かれており、アメリカの合唱楽譜のショップのWEBサイトにたどり着いたので思わず楽譜を購入してしまいました。届くのが楽しみです。ギター、タンバリンはともかくジャンベおよび叩き手の確保が難しそうですが、ぜひ所属している合唱団でやってみたいなあと思っております。

ちなみに日本で上演していたミュージカルには、我が家でひいきにしている浦井健治さんが出演していたようです。まったくのノーマークだったのでまた上演して欲しいなあと思っております。

では。

合唱団の団長をやって感じた事

お盆休みという事で小樽の実家に帰省し、しばらくゆっくり過ごしています。

子供や姪っこの世話で逆に疲れているのではないかという気もしなくは無いですが・・・。

さて、所属しているアマチュア合唱団の代表(団長)を、いろいろと訳あってやる事になって数年が経ちました。セブン・イレブンのアルバイトを数年やると流通に関して一家言持つようになるそうですが、団長を数年やると組織論的なものを考えるようになります。

更にサラリーマン生活も10年以上続けていますので、合唱団の運営で感じたことを仕事に反映してみたり、その逆に仕事で培ったことを合唱団の運営に取り入れたりして来ました。

おっさんが自分の仕事人生を元に語る処世訓じみた話というのは若者がもっとも嫌う部類の話ではないかと思ったりもしますが、私の大好きな本で後藤竜二著の「キャプテンはつらいぜ」という本があって、主人公がキャプテンになった時に「キャプテンが守らなきゃいけない事」をノートに書くというエピソードがあったので、同じように考えてきたことを整理し、今後の活動に繋げていくメモ代わりに書いておこうと思います。

体力と同じように精神力にも限界がある事

第一に書いておきたいことです。合唱団の活動で事務的な作業を献身的に引き受けてくれる人は非常にありがたいのですが、精神力の消耗を考えずに沢山こういった事を引き受けた後に一気に限界になって倒れる、燃え尽きる人を沢山見てきました(そしてかつては私も同じような体験をしました)。
体力と同じく休養をとらないと精神力は回復しません。進んで仕事を引き受けてくれる人はありがたい存在ですが、その人ばかりに仕事を与えるようではいけません。

なお、これは最近になってしみじみと体感するようになりました。仕事、合唱団の運営、家庭での色々な物事を考えたり行動するエネルギーを消費すると、反比例的に本を読んだりブログを書いたり音楽を聞く、というような趣味に費やす気力がなくなります。バランスをなんとかとっていきたいものです。

決断をするという行為は非常にしんどい行為である事

今の合唱団は非常に優秀なメンバーが数多くいるので、facebook等で私が「合唱団の仕事つれーもうやだー」とか書くと心配して色々と手伝ってくれる人が現れます(それを狙って愚痴を書いている訳ではありませんよ!)。

が、どうしても手伝ってもらえない、もっとも大変なことが「決断する事」です。運営していく中で出てくる意思決定が必要な事柄について、メリットとデメリット、決定した後のデメリットについての対処を考えながら決定していかなくては行けません。例えば以下のような事柄です。

  • 次回の演奏会の会場を抑えたが、毎年参加している別の本番と日程が近い。この日程で開催すべきか?
  • 団員Aさんと折り合いの悪い団員Bさんから相談事を受けた。どう双方の折り合いをつけるか?
  • 25名以上参加人数がいないと申し込めない合唱コンクールへの出場を検討しているが、現時点で参加可能なメンバーを数えたところ23名で、保留が3名だった。コンクールへ参加すべきか?

この他にもいろいろあるのですがちょっとぼかして書くのが難しいので控えます。

で、何が辛いってこれらは一つ一つ丁寧に対処していけばまあ何とかなるものなのですが、仕事や家庭で同様の決断を迫られるような事が当然あって、その中で並行して考えなければならない、という事です。上述の通り使える精神力の総量は限られているので、これまたバランスとって頑張るしかないんだろうなあと考えています。

なお、余談ですがバトル漫画等でよくある「限界を越えて力を出す」的な表現が私は嫌いになりました。限界を越えて倒れた人を何人も観たからかもしれません。本当に最後の手段だと思います・・・。

メール、SNSで議論をしない事

合唱団の運営に関するやりとりにメールや、LINE等のSNSは非常に便利なのですが、議論には使うべきではないと考えます。
議論の中で相手の意見に対して否定的な事を表現したとき、相手がどう受けとるかわからないからです。
「バカ」
と表現するとき、口頭ならどういうニュアンスで発したか(軽い突っ込みのつもりで言った)がわかりますが、文章だとわからない(例えば、悪意を持って発せられたと受け止めてしまう)のです。そうしたら後は不毛な言い合いに発展しかねません。

メンバーが多忙で会う機会がなかなかないとしても、必ず対面で話し合う場を作る必要があると考えます。道具が便利になっても使う人間はそんなに進歩していないものだなあと思ったりもします。

メンバーを信じる事

活動の中でなかなか会えない人がいて、その人からメールのやりとりの中で辛辣なメッセージが来ることがあります。
正直「なんだこいつ!」と思うこともあるのですが、会って話してみると真意は全く別のところにあった、という事はよくあります。

「活動の中で同じ目標に向かって頑張っている事」という大前提があれば、その中途でちょっとした軋轢があっても相手を信じて前向きに活動すべきです。相手に不信感を持って警戒するような事をすれば、相手にすぐ伝わって相互に不信感を持って行動するようになってしまいます。まったく不毛な事です。

相手が何を考えているかわからなくなったとき、これまでその人がどういう活動をして来たか、これまでどんな事をしてくれてきたか、という事は忘れがちです。それを思い出し、信じる事はとても大事です。


ということで書いてみました。
では。

キャプテンはつらいぜ キャプテンシリーズ(1) (講談社青い鳥文庫)

キャプテンはつらいぜ キャプテンシリーズ(1) (講談社青い鳥文庫)

靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争- (速水螺旋人、徳間書店)

靴ずれ戦線 1 (リュウコミックス)

靴ずれ戦線 1 (リュウコミックス)

靴ずれ戦線 2 (リュウコミックススペシャル)

靴ずれ戦線 2 (リュウコミックススペシャル)

モーニング・ツーで「大砲とスタンプ」という、軍隊の兵站部隊の女性将校が主人公の大変おもしろい漫画を連載中の、速水螺旋人の作品です。

大砲とスタンプ(5) (モーニング KC)

大砲とスタンプ(5) (モーニング KC)


第二次世界大戦における独ソ戦のさなか、ソ連軍は侵攻してくるドイツ軍に対抗すべく魔女に支援を要請します。魔女の家まで派遣されたソ連軍の女性将校のナージャと魔女の孫娘のワーシェンカが出会い、独ソ戦を戦いながらベルリンまで行くという、ミリタリーとファンタジー両方の趣味を満たせる設定の作品です。

大変面白いのですが、この作品が特に凄いと思う点としては

  • スラヴ民話に登場する英雄、妖精、ロシア正教の伝承上の聖人等が京都弁で登場する


という点です。「標準語で話す」人間「京都弁で話す」神話の世界の住人達の、「言葉は通じるけどお互いちょっと違う」という関係性の表現は凄く良いと思いました。

史実に基づく独ソ戦の描写、考証に基づいた伝承、神話上の登場人物が近代戦争で戦う面白さ、そして女の子がかわいいという事で非常におすすめです。

なお、作中でクロアチアにおけるウスタシャによる殺戮だったりナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害、ドイツ軍の捕虜になったソ連兵の過酷さも描かれていて、第二次世界大戦、とりわけ独ソ戦がどれだけ過酷な戦争だったかをさりげなく提示してくれます。

このあたりについてさらに詳しく知りたい方には、参考図書として昨年のノーベル文学賞作家であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」をおすすめいたします。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

では。

x86版Solaris10物理サーバをVirtualBoxへ移行(P2V)

2009年に買ったマザーボードで組んだPCにてx86 Solaris10を稼働、主にpukiwikiサーバとして活用しています。

bata64.hatenablog.jp

bata64.hatenablog.jp

bata64.hatenablog.jp

ただ、半年に1回程度ハングするため*1に再起動が必要となる運用をしていたので少々煩わしさを感じていました。

そんな中、新たに「C2750D4I」というマザーボードを購入し、x86 Solaris11サーバとして稼働させました。
このマザーボードはメモリ、HDD共にたくさん積むことが出来るので仮想化環境の基盤的な使い方をするとよさそうだ、と考えたので、勉強もかねて物理Solaris10サーバを仮想化環境へ移行(いわゆるP2V)してみる事にしました。
仮想化ソフトウェアはSolaris11でも動くフリーのもの、という事でVirtualBoxを選びました。

*1:HW由来なのかOSなのか不明・・・

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ZFSスナップショットを管理するPythonスクリプト

Pythonの勉強がてら作ってみました。

概要

指定された日数経過したZFSスナップショットをzfs destroyコマンドで削除します。

前提条件

該当Solaris11サーバは日次で全ZFSのスナップショットを取得しており、書式は

[ZFS名]@YYYYmmddHHMMSS

とする。
また、Pythonのバージョンは

3.5.1

とする。

使い方

Usage: ./rotate_zfs_snapshot.py [ZFS name] [age_date]

ZFS「bata64/data」の、30日経過したスナップショットを削除したい場合は

 ./rotate_zfs_snapshot.py bata64/data 30

とすればよい。
なお、スーパユーザ権限が必要です。

ソースコード

初めて作ったのでくどいほどコメントを入れてみました。

#!/usr/bin/env python

import sys
import datetime
import subprocess
import re

## プログラム実行時の引数を取得
param = sys.argv

## 引数の数を取得(コマンド名+引数の数値が取得される)
check_params = len(param)

## 引数の数が2でない場合は使用例出して異常終了
if check_params != 3:
    print ("Usage: " + param[0] + " [ZFS name] [age_date]")
    sys.exit(1)

## 第一引数で渡された値を取得(ZFS名)
snapshot_name = param[1]

## 第二引数で渡された値を取得(エージング期間)
age_date = int ( param[2] )

## datetimeモジュールで現時刻を取得
date_now = datetime.datetime.now()

## datetimeモジュールで今から○日前の日付を、しきい値として取得
date_threshold = date_now - datetime.timedelta( days = age_date )

## zfs list -H -t snapshotを実行してスナップショット一覧を取得
cmd_zfs_list = subprocess.Popen([ 'zfs', 'list', '-H', '-t', 'snapshot' ], stdout=subprocess.PIPE)

### 実行結果がbyte型で渡されたので、文字型として扱うためにデコードして変数へ代入
out_zfs_list = cmd_zfs_list.communicate()[0].decode('utf-8')
cmd_zfs_list.stdout.close()

## zfs list実行結果を1行ずつ(改行区切り)でリストに格納
list_zfs_list = out_zfs_list.split('\n')

## zfs list実行結果を解釈するための正規表現を定義。Perlだと /^(ZFS名@([0-9]{14}))\s/ という感じ
text_re = r'^'+ r'(' + snapshot_name + r'@' + r'(' + r'[0-9]{14}' + r')' + r')' + r'\s'

## 正規表現パターンをコンパイル
p = re.compile( text_re )

## zfs list実行結果が入ったリストをfor文で1個ずつ処理
for line in list_zfs_list:
    ## zfs list実行結果を正規表現パターンで判定
    matchOB = p.match( line )
    ## 正規表現パターンにマッチしていたら処理実行
    if matchOB:
        ## 正規表現グループ化によってスナップショット名の@より右側(取得日時)を取得
        date_snapshot = matchOB.group( 2 )
        ## 正規表現グループ化によってスナップショット名(取得日時)を取得
        name_snapshot = matchOB.group( 1 )
        ## スナップショット取得日時をdatetimeモジュールで日時データへ変換
        date_snapshot_datetime = datetime.datetime.strptime(date_snapshot, '%Y%m%d%H%M%S')
        ## スナップショット取得日時がしきい値より古い場合処理実行
        if date_snapshot_datetime <= date_threshold:
            ## zfs destroyコマンド実行
            status_zfs_destroy = subprocess.call([ 'zfs', 'destroy', name_snapshot ], stdout=subprocess.PIPE)
            ## コマンド応答ステータスが0であれば成功した旨出力
            if status_zfs_destroy == 0:
                print ( "destroy " + name_snapshot + " SUCCESS." )
            ## コマンド応答ステータスが0以外であれば失敗した旨と応答ステータスを出力
            else:
                print ( "destroy " + name_snapshot + " FAIL. CODE = " + str ( status_zfs_destroy ) )

では。